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……ん?
[かけられた――のかは些か判然としなかったが――声に、思考を一旦中断して其方を向いた。何かを頬張る姿に、二、三度瞬いてから、今し方の不明瞭な声の理由に気付いて、くすりと笑い]
ホズミさん。今日は。
[そう挨拶を返した]
― 回想 ―
[自宅へ帰る途中、集まって遊んでいたのだろうこどもたちが寄ってくる]
『あ、マシロだー!』
『ましろーなにしてるのー? かくれんぼしよー』
[先生というよりは、遊び相手として接してくる子らの頭を乱暴に撫でながら]
元気だなぁ。
今、せんせーお腹減ってるんだよねぇ。
…あ、みんな、うちのばーちゃん見なかった?
[あまり期待したつもりはなかったが、帰ってくる言葉に少しだけ落胆し]
そっか。
…ん、と、今日はかくれんぼすんの?
はは、私は家帰ってごはん食べないと。
はいはい、みんな仲良くね。特にデンゴとルリ!
…ふふ、よしよし。
あ、範囲は地蔵のところまでだよ。
その先はルール違反。わかった?
[元気な返事に笑顔を浮かべ]
良い子にしてたら次のときに新しい遊びを教えてあげるよ。
はい、またねー。
[戸が叩かれた音に立ち上がり慌てて駆け寄ったせいでたんすの角に小指をぶつける]
……っつぅ…。
[片足でぴょんぴょん跳ねながら、玄関までたどり着き戸を開ける]
ばーちゃん! どこ行っ……。
あ…れ…、せーじくん。
生憎、確かな事はまだ知りません。
近く村長に尋ねに行こうと思っていたところで……
どうも、ライデンさんらしいという話は聞きましたが。
[ホズミに尋ねられると、抱えられた木箱を見つつ、何度か耳にした噂を伝えた。村では噂はすぐ広まる。当然、真偽が怪しいものも多かったが]
あっ……
[ばーちゃん、と呼び掛けられて気まずそうな顔をする]
ご、ごめん。
今日のご飯どうするのかな、なんて。
[夕飯をご馳走してほしいと正直に言える状況でもなく、そう尋ねてごまかす]
[ややあって食器を洗う音が響き始める。
2階からは少し音が外れたさくらが聞こえる。
話しかけられなければ背を向けたまま作業し
自ら言葉を発する事はないだろう。
―――それから、食器を洗い終えれば
布巾で手を拭いながら食卓の方へと戻って来る。]
ダンちゃん、今晩はどうするの?
そう、ライデンさんが。
食べでがありそうですね。
村長さんには今から会いに行ってきますけど、教えてくれない気がします。
[屈託のない笑みを浮かべたまま言った。
歩を進めてから振り返り、右手で自分の額の辺りに横線を引く]
ンガムラさん、そろそろ前髪切りましょうよ。
[気まずそうな顔のセイジにぷっと吹き出し]
くくっ…ごめんごめん!
誘ったのは私だもんね。
あ、入って入って。
…でも、せーじくんタイミング悪いなぁ。
ばーちゃんまだ帰ってなくてさ。たいしたものないんだよね…。
こんなに遅いと、森じゃなくてホズミさんのとこで世間話かなぁ。あ、森に寄ってホズミさん家? あー、うん、あるある。
[後半、独り言のようにぶつぶつ呟きながら、先程のように片足でぴょんぴょん歩く]
―若葉宅―
[若葉に少し遅れて食事を終えると、片付けを手伝い]
若葉ちゃん…
大丈夫。ちゃんと食べたんだし、また、来世で会えるよ
[慰めるようにそう言って]
そうだな。久しぶりだし、泊まって行っても良いかい?
[手伝いが終わり、どうするのかと聞かれると、そう聞いて]
ええ、そうですね。ライデンさんは背も高いですから。
儀式が近付いてきましたから……じきに連絡も回される事でしょう。
[ホズミの笑顔を見て返す言葉は、若干抑えた声調ながらも、およそ普段の世間話と変わらないようなものだった。前髪を示されると]
嗚呼、結構伸びてきましたか。
ではお手透きの時に宜しくお願いします。
[己の前髪の先を指で摘みつつ答え、頼むように言って会釈をした。そしてふと、思い出したように]
そういえば……
ホズミさんは、最近アンさんに会いましたか?
[と、何気ない風に尋ねた]
ん、…
[また来世でお婆ちゃんが、お爺ちゃんと一緒になりたいと笑っていたことが思い出されて 2つに結んだ髪を揺らして頷いた。
宿泊を申し出るダンケに]
うん、うちは全然構わないよ。
ダンちゃん居ると双葉もきっと喜ぶよ。
ご飯も多めに炊いたし、朝ご飯もご馳走するよ。
ポルテさん具合悪いから困ってる人多そう。
ダンちゃんとか。
[じっと見上げ、それからまたほにゃりと笑う。]
それじゃ、お布団とか準備するから手伝ってくれるかな?
あ、うん。お邪魔します。
[万代に促されるまま家の中へ]
ああ、おばあさんはお出かけ?
うん、それは大丈夫。
[言いながら、彼女が跳びはねているのを目に留めて]
何ぴょんぴょんしてるの?
新しい遊び?
[思わず尋ねた]
うん。それじゃあ、お願いするよ。
ははは、確かに、最近はポルテさんの所で済ませる事が多かったからね。助かるよ。
[OKの返事を貰えばそう答えて、見上げられると、苦笑いで答えて]
もちろん。他にも手伝える事があれば手伝うよ。
[手伝いを求められれば頷いて、若葉の後に続いて寝室へ]
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