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離…ッ…!
[小さな声で囁かれる謝罪を聞かぬようにして、突き放す。
痛みを堪えるような表情で、口元に手を当てる。
そうして室内を見渡し、ごく小さく呟いた。]
──…消えてしまえ。
[すべて]
[一瞬視線が走ったのは、穏やかな父娘の姿。
その時だけ、僅かに表情が揺らぐ。]
───…なら……まえば、いい。
[そうして、人々に背を向けて階段へと*踵を返した*]
おれが、
教会に埋めたんは、
一番最初に、食い殺されたアーヴァインの旦那を。
それから、おちびのお嬢さんに、
仕立て屋の旦那さんに──、
デボラの婆さんに、
…、…書生さんに。
[男は、覚えている死の順をぼそぼそとした声で並べて]
そいで、
[ハーヴェイが、部屋に引き上げていった後を視線で追い]
……、…渡さなくって…、いいんです?
[ぼそり。と声が投げられるのは、
既に彼が部屋に引き上げてより後のこと。]
[ただ、]
… ……、おれには、あんたさんの態度は、
ただの食餌をしただけ。ってな風にゃア、
… いまいち、見えませんけどね……
[ぼそり。と、自分の見解を男は呟き]
─小さな部屋─
[半ば逃げるように階段をあがり、小さな部屋へと入る。
窓の外に楡の木が見える。
懐かしい、あの部屋だ。]
(──…キャロル)
[やはり、名を呼ぶ声は音にならないまま。
渡し損ねたままの、小さな紙切れを握りしめた**]
───…。
[脳裏に、白いドレスを当てた彼女の姿がある。
ヒューバートの笑顔。
どれ程、……見たいと願っただろう。
──幸福の姿。]
[祖母と、幾人か。
町へと出て、この小さな村は忘れればいいと思っていた。
─── 逃げてしまえば、いいのだと。]
(──…キャロル)
[幸福を壊したのは自分。
けれど、彼女が幸福を──死後であるにせよ、得たのなら。]
……。
だったら、どうだって言うんだい?隠。
”ただ”も何もないだろ。
食餌は、…食餌だ。
まさか、味に評論しろというわけでもないんだろう?
…きみは、いつも食餌の時には笑うの?隠。
一度くらい、見てみたいけれど。
[そう、笑わない男を揶揄してわらった。]
/*
ちなみに。
5人からエンドもありと考えつつ、2狼生存(というか消滅)もありじゃねえ?とか、思えつつ ある。
みんなはどうなんだろう。
どのみち今日赤吊らなきゃ、連続で吊らない限り終わるよね。
─…ねえ、隠。
死んだ魂が、未練たらしく残っているなんて滑稽だと思わないかい?
…救われたいやつは、救われたらいい。
望みを叶えれば、消えることもあるんだろ。
……きっとさ。
あとは…、纏めて消えてしまえばいい。
過去も、思い出も…ぜーんぶ、さ。
[話し声に、温度のない笑い声が混じる。]
[男に聞き取れるのは、陽の声だけで、
くしゃりと握り潰された髪の音は聞こえない。]
……。そうですか。
[いまさら。と、一言で返された答えに、
それ以上は、問いを重ねず]
…まあ、 味ってよりゃァ。
あんたさんが、喰いモンに対して、
どう思ってるンかの方が…、…気にかかりますよ。
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