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[すべて]
[一瞬視線が走ったのは、穏やかな父娘の姿。
その時だけ、僅かに表情が揺らぐ。]
───…なら……まえば、いい。
[そうして、人々に背を向けて階段へと*踵を返した*]
おれが、
教会に埋めたんは、
一番最初に、食い殺されたアーヴァインの旦那を。
それから、おちびのお嬢さんに、
仕立て屋の旦那さんに──、
デボラの婆さんに、
…、…書生さんに。
[男は、覚えている死の順をぼそぼそとした声で並べて]
そいで、
─小さな部屋─
[半ば逃げるように階段をあがり、小さな部屋へと入る。
窓の外に楡の木が見える。
懐かしい、あの部屋だ。]
(──…キャロル)
[やはり、名を呼ぶ声は音にならないまま。
渡し損ねたままの、小さな紙切れを握りしめた**]
[>>54の不吉なリストに眉をひそめ]
――じゃあ私は?私はハーヴェイよりも先に死んだはずなのに…――
私の 死体は 見つからなかったの かしら。
――倒れ伏したその体に後から後から降り積もる冷たい雪が、隠してしまったせいかもしれない。喉元を食いやぶった黒い影は、私を見下ろしてにやりと笑ったから、私が死んだ事に間違いはない。――
…時間がないのね。ええ、時間がないわ!
父さん、待っててね?私準備してくるから、ここで待ってて、先に消えてしまわないでね?!
[最後に強くヒューバートを抱きしめると、白いドレスとヴェールを大事に抱え、2階の部屋に駆け上がって行く。ドレス姿を父親に見せる為に]
[何故か存在する自室にそっくりな部屋に駆け込むと、服を着替え、髪を結い、綺麗に化粧を施した]
父さんのドレス着られるなんて思ってなかったわ。
[繊細な刺しゅうを優しく撫で]
子供の頃は他人の為に綺麗な服を仕立てる父さんがなんだか悔しかった。
意地を張ってそっけない服ばっかり着てたっけ…。
私にも作ってって…素直に言えば良かったな。
[目じりに浮かぶ涙を指先でぬぐい]
いけないいけない、お化粧が崩れちゃう。
[ドレスとヴェールを身に纏い、準備が整った姿を見せに階段を下りて行く]
―父はなんと声をかけてくれるだろう?あの人は私を思い出してくれるのかしら?**―
>>51 ―――っっ!
ハーヴェイ!!
[突き飛ばされて、追いかけようとするが足はそのまま止まってしまう。]
(解らない…。
彼が怒りを感じているのは、私が流れ者を連れて来たことなのか、それとも私の帰還自体になのか…?)
[去り際の書生の気迫に触れ、ここで新たな、根本的な疑問。]
そもそもなぜ私は彼を処刑した…?
それは謂れの無い事ではないはず。
―回想―
>>27キャロル
許すもなにも……お前は何も悪くない。
気負うことなどなにもないんだ。
『大好き』……か。
メイは…あの子は…あの子の願ったこととは…なんだったのだろうな。
[彼女の愛用のカップ見やり、独り呟く]
……ああ、そうだな。きっと天国へ……。
[何かが胸つっかかる。
『何も悪いことしてないもの』―――本当にそうだったか?]
>>30>>31>>32ユージーン
……どういう意味だ?
[墓守の言葉に、眉間を寄せる]
確か……デボラさんの孫が仕立て屋の娘と結婚すると……。
>>43……確かに子供が生まれる可能性は…なくなってしまったが……。
[顎に手を当てて考える。
生まれるだろうと思っていた頃から編み始めていたのだとしたら不自然なことはない]
…つまり……見切り発車?
―現在―
>>57キャロル
キャロル!?
[訳を聞く間もなくキャロルは2階へ駆け上がっていく。
>>58しばらくして階段の上に白い花嫁が現れる。
ふわりと、そこだけ空気が違うようだった]
―少し前―
>>59 そう―ですか、シスター。
良かった。ありがとう。
[言うと同時に、馴染みとなった眩暈と共に思い出すのはいつかの光景。
雪原に、既に二つの山は運び込まれ、簡素な暗い色のコートを着たシスターが、その一方の傍に膝まづいている。]
(今日も誰よりも先に来ている。
挨拶しようと思うが、今正に「祈り」の最中のようで、声を掛けるのは控える。
ぽうっ、と手にした十字架が光を放つ。
それは元々は私の母の物。
もしかしたら、母もこうした力を持っていたのかも知れない。)
「見つけましたわ…。この方がじん―」
(気配に敏感な彼女は、私を認めると、泣き笑うような表情で呟く。
そこには勝利の高揚感はなく、ただ、ただ、やりきれない思い。)
(やっと解ってきた。
この能力のため、彼女は教会に組み込まれる運命だったのだと…。)
[ゆっくりと階段を下ってきた娘の手をとる]
おめでとう、キャロル。
[噛締めるように言う。
失われたはずの幸福が目の前にある。
けれど、未来までは与えられなかった]
……神は残酷だな。
[キャロルを優しく抱きしめ、誰にも聞こえない小さな声で呟いた]
(私は娘と同じところへはいけないだろう)
[『処刑』と称してこの手で誰かを殺めた。
その相手が一体誰だったのかさえ思い出せない。]
―回想―
獣に食い荒らされた無残な死体が見つかった。
確かすぐに村の人間が集められて……。
『…ろうが…――なら、処刑を……しか、ないだろうね?』
そうだ、誰かが処刑をといい出したのだ。
『処刑など行わなければ……共存も……』
『先に手を……は…じん――…』
処刑を行わなければ、まして村から出られぬよう橋を落しなどしなければ、キャロルは死なずに済んだはずだった。
―回想―
お前が言い出さなければ!!
(……あれは『処刑』等ではなかった。
ただ恨みのままに殺した…ただの殺人だ。)
[振り下ろした刃。そこで記憶は途切れる。
それが相手に死をもたらしたのかどうかは思い出せない]
……あの状況で生きているなどということは。
私は……人を、殺した。
[いつの間にか耳を澄まし、2人の話を聞いていた。だからハーヴェイの言葉の断片が聞こえてしまったかも知れない。]
『──… えてし え。』
――!
ハーヴェイさ……
[制止しようともその姿は既に階上へ消えた後]
貴方は、何色?
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