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アンが覚えていないということは、
送るということはそういうことなのだろうか。
……忘れられることこそが死だと、聞いたことがあるな。
[気配を感じて、頬杖を突いたまま、視線だけを動かした。
微かな声は聞こえない。立ち去る気配。瞑目する]
煙草でも、吸ってこようか。
[*白衣を翻して、居間を後にした*]
奪うということ、死を齎すということ。
たとえ「送る」という言葉に変えても――
していることは、変わらないのかもしれない。
ただ、根底にある想いが、異なるだけ。
-スイ-
[ユウキに話しかけられ、一瞬びくりと身を緊張させる]
たたた、ただいま……とうさん。
[しばしば間をおいて、頬を赤くしながら答える]
こたつ、いいよね。
みんなで暖まれるから、おいら、こたつ好きだよ。
[九九を口ずさむミナツにつられた]
ににんがし、にさんがろく、にしがぺち、にごじゅー……。
[最初は表情が強ばっていたが、だんだんとやわらぐ]
しちいちがいち、しちにじゅーし、しちさんにじゅーいち、しちしにじゅーはち、しちろくごじゅーし、しちくろくじゅーさん。
[ギンが九九に合わせてにゃあにゃあと鳴いた]
[ギンはみかん箱に突っ伏したミナツのまわりを心配そうにくるくる回り、背中をてしてしと叩いた。
スイは笑みを浮かべてそれを見ている]
-夢-
まっくらな闇の中。納屋に閉じこめられた時だと思い出す。
ひとりぼっち。触れるものは居ない。
いつのこと? いつから、自分は閉じこめられるようになった?
──ナンデトジコメラレタ?
のどがひりひりと渇く。唾液すら飲み込めない。
頭蓋骨の内側をざりざりと引っかくような感覚。
──オナカガスイタカラダ。
オカナガ、スイテ、──ヲ、タベタ、カラ。
とても大切な、大好きな──。
──ダシテ。
この言葉がいえない。
閉じこめられたの? 誰に?
──ワカラナイ。デモ、コワイ。
誰かと一緒に要ることが、怖い。
[スイはいつの間にか、こたつに潜り込むように、膝を寄せて丸くなり身を縮込ませている。
額には汗。眉間には深い皺。目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。
わずかに開いた口から小さな言葉が漏れる]
ちが……好き……大好きなんだよ!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
もう、誰にも近づかないから……だから……ごめ……。
[誰に向けたものか分からない、無数の謝罪が繰り返される*]
[布団の中で、一人目を覚ます]
哎!
[とっさに、どこにいるのか?何をしているのか?わからずに、心細い声を上げるけれど。この家の、賑やかな面々を思い出すと、ホッと安心したように笑った]
我想吃米飯ー。おかーさん!
お腹が空きました。
[パタパタと廊下を走って居間へ]
あれ?スイが居ます。おかえりー?
[火燵で丸くなる人影に声をかける]
ん?寝てますか?……寝言?
[謝罪の言葉に、困惑しながらも、猫にそうするのと同じように、スイの背中をそっと撫でた]
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