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[顔を出していれば目の前に屈むのは、背の高い二枚目だ]
えへへ、よかった。
[びくっとしてネギヤの後ろに隠れかけるが、なんとなく香る甘い香りにつられて笑う。
幼稚園の先生が歌を歌う]
あ、ヒナそれ知ってるよ。
かーごめかごめー
ね、おじちゃんも遊ぼう。ねこさんも。みんなで。
[小柄な庭師の手を引いた**]
[ なつかしいもののピースがはまってゆく。
男はふらふらと、その足は庭園の隅にあるところ―― 蔵へと向かった]
そうなってくると不思議なのですよね。
私は、ネギヤ先生と幼いころの記憶を共有しているわけではない。
では、私にとっての「なつかしいもの」とはいったい何なのか……。
[ それが原稿でないことも確かだ。
原稿を手に入れたのは、昨日のうちなのだから。
では一体――]
[小さな女の子に優しく微笑みかける。
こうやって幼い子供と遊ぶのも久しぶりの
ことで]
えらいなあ、ようく知ってるね。
じゃあ、一緒に歌おうか?
[懐かしい遊びと、唄と。遊び疲れて日が傾いたら皆に手を振りながら帰るのだろう。
夕焼けこやけでまた明日、と。**]
似ている、じゃなかったのね。
[本から落ちた写真。自分と、ヒナが映っていた。
であれば、ネギヤが自分たちのことを調べたのだろうと、想像するのは難しくなかった。
そうしてあの本と同じような顛末をたどって今に至る]
けど、本当にみんな、どこに行ったのかしら。
[屋敷内、いつの間にか警察もいない。
一人捜して歩き回り、廊下で立ちつくした]
[探し疲れて応接間でうたた寝をしてしまったようだ。
かしゃ、とナイフが落ちる音で目が覚める。
小さな頃の夢を見た気がした。
小さなネギヤと、ヒナと、それから彼らの友達と、大人と、みんなで遊ぶ夢。自分の記憶に無いはずのそれは、妙にリアルで混乱する]
そんなまさか、ね。
[無いはずの記憶。
なのに思い浮かべると懐かしい、暖かい記憶。なんだか消えたみんなに似ていたような気がする、だなんて]
― 蔵 ―
[ ネギヤ先生と、蔵の話をしたのはいつだったか。
古い蔵で、編集者になる前にやっていた活動を。]
……よっこいしょ、と。
[ 蔵を開く。
そこには、「おつかれさま」と声をかける人がいた。
無残な姿になっていた人である]
[少女が笑顔を向けてくれた事で、その笑みが深くなる。
そして少女は、老婆の声に合わせて歌い、庭師の手を引いて回りだし
『かごのなかのとりは
いついつでやる』
その光景を微笑ましく見守るうちに、知らず知らずのうちに小さく口ずさんでいた。
幼い頃に無くしてしまったはずの憧憬が、そこにあった**]
─ 猫 ─
[にゃあ。
首に赤いリボンをつけた子猫が鳴く。
大人しい猫はその体を撫でる手には従順で
ゴロゴロと喉を鳴らす。
その内、子猫は遊びに夢中になる輪からひょいと抜け出した。
躑躅の木の傍にもぐりこみ、引っ張り出したのはカメラだった。
うにゃうにゃとそれにじゃれ付いていると、
シャッターに爪が引っかかる。
一瞬、フラッシュが庭を照らした。*]
思い出しました。貴方、だったんですね。
[ 大学時代から、劇団を立ち上げてきたその仲間。
だが自分は、袂を分かち出版社に勤めた。一方夢を追いかけた彼らとは疎遠にはなっていたが――]
出演、お疲れ様でした。
[ 劇ではなく、裏方としてマネージャーをやっていた時と同じように、彼の横に腰掛けて]
見事だまされましたよ。
貴方だとは見抜けませんでしたから。
ですが、そのナリでネギヤ先生の代打はおかしいでしょう。綿も脂肪も足りていません。
[ 蔵の中で、二人分の笑い声が響いた]
― 現 ―
[ 気がつけば、男はひとりだった。
庭園へと顔を出せば、警察はいない。
まるで、騒ぎが起こる前のように静かだった。
何故ここにいるのか、記憶はあいまいだが。
鬼籍に足を踏み入れた旧友と出会った気がする]
……ここはネギヤ先生の……
[ そう。今日は。
噂の新作原稿を拝見する日だ**]
[庭園の光景を、女の子とネギヤを見守っていた。
以前、ネギヤが語っていた一つの話を思い出す。]
忘れられない女の子がいる…て、あの話は、
[その忘れられない子と元妻が似ていたらしく、
それが原因でか、ネギヤとは疎遠になってしまったけれど。
苦笑して一つゆるく頭を振り、庭の土を踏んだ瞬間。辺りを照らすフラッシュ。]
――あ、
[驚いた間抜け顔が写真に映りこんでしまったに違いない。
落ちこんだものまた束の間だけで。
かごめかごめの歌につられ、遊びの輪に加わった。**]
あ!いややわぁ、ネギちゃん!
もう、みんな心配したん……
[遠くにガモンやネギヤの姿を見つけて、そう声を上げかけるが
傍にいる少女に、小首を傾げる。]
ヒナ、ちゃん……?
さて、と。探さなきゃ。
グリタさんと、みんなに謝るって約束したし。
[それにはネギヤの死体を探さないと。
気合いをいれて椅子から立ち上がる。
あの本と同じならば、きっとみんな姿を現すだろう。ネギヤの書いたものだから、ひどい結末はあり得ないと信じる
かしゃりと音のするナイフを拾い上げる。
仕込みナイフであると気づくのは、もう少し先の話**]
変わらへんよ。
…ウチにとっては。
たとえヒナちゃんが何人おっても、
ウチにとってのヒナちゃんは、ヒナちゃんだけやもん。
――ヒナちゃん。
ウチは、この素敵なお屋敷で、ヒナちゃんにも、会いたいなぁ。
[かごめかごめ――唄の響く庭、
見上げた空は、繋がっているだろうか、彼女の元へ。
もう一度、再会を願って。
唄の輪に加わった。]
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