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やはり あの時に…火の中に飛び込めばよかったと。
彼女と一緒にいけばよかったと。
[何度も苦しい夢をみた]
そんな 後悔をするなら…
てか、せんせも何してんだよ!
雨園君も!
あの子、止めなくていいのかよ。
オッサンは、何とかするから。絶対何とかするから!
んなショッキングな話知った子、1人にすんな!
[地団太踏んで、言う。せめて、建物の中に入ってもらえば何か変わるのではないかと期待を込めて]
──。
[未だ現実感は無い。
ただ、ニキもテンマも追い詰められてる状態というのは分かった]
[頭を振り、煙草とジッポをグリタの胸元に戻す]
代わりに守ってやってくれ。
[そうして管理棟の方に向かう]
ヤメテ......ニキ.....
ヤメテ.......
[さすがに嫌がっているのか兎の声が心に響く、これは最後のチェロの声。
そして私が最後に聞く言葉。
私は決意を固め引き金を引いた.......]
.........。
撃てない....なぜ....?
[確かに引いたはずだった。しかし兎が何かしたのか。銃をうつことは出来なかった。かわりに銃声ではなく聞くつもりのなかった声が私に届く]
ニキ.......
イトシイボクノニキ.....
ヤメテ........
モウニンゲンヲ.....ヤメテ.....
[私は兎の驚愕した。恐れではなくこの兎は私に人間を捨てろといっているのだ]
ソノヤサシサナ.....ボクニクダサイ......
.ニキ....
イトシイニキ.....
ボクハニキヲハナサナイ.....
……僕は……
人を結んだりなんて、していません。
ましてや兎を攫ったりなんて……
僕は、嘘は吐いていません。
僕は嘘吐きではないんです。
役立たずでも、……
[バクの声に踵を返そうとするも、身体がうまく動かずに。ぽつりぽつりと零しながら、一歩、二歩だけ後退する。管理棟へ向かうドウゼンの姿が視界の端に見え]
テンマ......
ダレデモイイ.....
ボクニササゲテ.....
ニキノイシキニマケル....
チカラガホシイ......
チカラガ.......
ニキノココロヲウバウ.....
ツヨイチカラ.......
――っ、
[風の音が強まると共に。彼が去った光景が、歪み、ぼやけた。闇の中のように閉ざされる視界に、完全に動かなくなった身体に、息を呑む]
ワカイチカラヲ.....
.......ワカイチカラガホシイ......
ソシテ......
オキナハイラナイ......
オキナハイラナイ......
[義兄にとりすがり、必死で風とその絶望の声を止めようとする]
もう、いいだろ。
結ぶものって、もういねえよ。雨園君はそんなんじゃない。
小さな女の子を殺そうとする人じゃない。
もう、やめろよ。俺も、死なないから。
オッサンより先には、死なないから。
もうそんな辛いことは、止めてくれよ。頼むよ。
─管理人棟・一室─
何してるんだ!
[猟銃を手にするニキを見つけて、血相を変えると銃を奪い取ろうとする]
[ぼんやりと兎を抱きしめているようにみえるニキの体を揺する]
思考の端…
もしかしたら 佐藤杏奈
あれは 兎が…?
一瞬そう考えた
しかし…
結ぶ者が残っていれば…
二木が狙われる
もしかしたら 獏まで…
きっと これが 最後…
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