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[ペケレにひとつ頷いた]
そのかわり…
ライデンを食べないで。
なんてお願いしても、良いですか。
[苦笑する。
きっと否と返されても苦笑する]
…………ああ。
[背に送るのはその一言だけ。それだけで、いい。きっと。
静かに。扉の中へと消え行くテンマを見送る。
かけたい言葉は、全てその瞳の中に。]
―――――…
[消えたあとに残るは開かずの扉。
テンマがいつか暖かく巻きなおしたマフラーにふれて。
静かに、静かに瞳を閉じた。*]
" パパ。
きょうも お仕事?
あそんでくれるって やくそく したじゃない
――うそつき "
[遠い、遠い光景。
未だおぼろげな、後ろ姿のキオク]
ルリ。
[少女の声に、其方を向き]
その願いが叶ったとしても……
[言いかけて、途切れさせる。
並ぶ扉の方に歩むと、花が供えられた中に、手のうちの写真をそっと*置いた*]
足りないもの、一つ見つかった。
[白い指先は空を指す]
願いごとを三回、流星に。
何を、願えばいい?
[ぐるり、小さく円を描き、そこから尾を伸ばして流れ星を*模した*]
[かるい重みが溶け消えて、
からっぽになった手をみつめる]
空気を震わせぬ、足音はいつも、いつも]
やさしくて、やさしくて、
――やさしいくせに。
だから いぢわる。
もし、あなたが何か、
望みを抱いていたのなら…
[作り物の風が吹いてさらう、その先]
[ただもういちど逢いたい、
その願いは、ほんもので きっと――]
[――救いなんて信じてなかった
けれど、世界の歌は聞こえずとも、この耳の聞く
祈りの羊の奏でる音は]
教えてくれて、ありがとうでした…
プレーチェ。
[きちんと終われなかったから還らない、
還れない人々にも、何かをもたらせればいい]
――夢を奪い取り戻した、その先にも。
[扉へ手向けられた、絵と写真が揺れる。
ライデンが言いかけたのに気づいても返さない]
つくりものだから、わるいもの?
うばうのは、わるいこと?
……うん。
カナメ、ありがとう*
どういたしまして。
[ルリの『ありがとう』に首を傾げる。
静かに伏せられたまぶたに風が当たった]
作りものはオリジナルの夢を見るのでしょうか?
[謎掛けの口調で言って、ひつじを*抱きしめた*]
[>>68 一瞬だけきょとりとした後、子供に言い聞かせるような笑顔になる]
ライデンは己を喰らえ、ルリを助けてと言う。
ルリは己を喰らえ、ライデンを助けてと言う。
あなたがたは死を望む──過去からやってきた死に神の手を取る。
私を哀れんでくれるから、身を差し出す。
私が、寂しくないように、誰かを遺す。けれど、あなた自身は遺さない。
[すっと目を伏せる]
[かつて仲間で合った獏の上着が視界に入り、それを拾い上げ、無造作に羽織る]
やさしさは、難しいね。
山々に生える木々のように暖かい山吹色。
そこに、深く沈むような藍色を重ねたら──夕陽?
[墓碑に向かって黙礼をすると、2人に向き直る]
鐘が鳴り、あなた方の願いは叶うだろう。
だいじょうぶよ──痛くないわ。
[安心させるように微笑んで]
心配してくれてありがとう。
[小さくお礼を言うと、背中を向けて歩き出した]
ねぇダーリン。
[久方ぶりに声を掛け──自らの呼びかけにぷっと噴き出す]
ハニーの方がいいかしら。はにー。
[足どりは軽く、リズミカルに階段を上る]
ねぇハニー。
私が、廃棄処分されなかったのは何でだろうね。他のみんなみたいに。
──私が、生きることを願うものが居たから?
ルリやライデンみたいな、優しい人が居たの。
[カナメから返ってきた答えに、複雑な笑み]
[たどり着いたのは、一つの機械のある部屋]
使い方くらい知っているわ。
[カナメの声にむくれながら、表面に指を走らせる]
原理は知っているけれど、不思議ね。
[浮かび上がるのは、舞台の上で朗々と歌い上げるライデンの姿]
本当に怪人なのね。
[演目は”オペラ座の怪人”]
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