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[ノギとエビコを見つけた時の、ヌイとホズミの様子を思い出す]
あの時ですか
[外出の準備をするホズミに]
ちょっ……
もし本当にヌイさんが犯人なら、ホズミさん一人じゃ危険ですよ!
[ドアを開けると、ナオが振り返ってこちらを見た]
ナオ…
[彼女の後ろには、4つの毛布につつまれた塊。
何も言えずに、ゆっくり彼女に歩み寄る。近づいて、彼女にむけてそっと手を伸ばす]
先生...
あなたと一緒で認めるわけないでしょ?
冷静に考えて?
大丈夫だから...
二人で話しをさせて?
ね?
[フユキにキスをして帰るよう諭した]
[自分を包み込もうとする闇は、温かくしっとりとしていて。そして]
誰かいるのかな?
[たましい、の、気配がした。ひとつ、ふたつ……それとも、もっとたくさんだろうか?]
あれ?これなんだろう?
[手首に絡み付いているのは、紐?]
[開いたドアから覗いた姿はヨシアキくんだった。]
あ…ヨシアキ…くん…、エビコさんが…人攫いさんが…スグルくんが…――
[声が震える。頬に温かい感触を感じた。それはわたしの涙だった。泣くなんてみっともないと思ったけど。でもわたしは――]
こわいの…いっぱい人が…っ――わたし…もう…人が死ぬのを見たくないの…
[差し出された手。その手の温もりを確かめるように。わたしはヨシアキくんの手を握り*頬に寄せた*]
[不意打ちに驚き、ホズミの瞳をじっと見つめる。彼女の意志の固さが見て取れる。ここで手放したら二度と会えないような気がして、それでも口をついて出るのは静止の言葉ではなかった]
絶対、戻ってきてくださいね。
[それだけを言うと、彼女の背中を見送った。桜の笑う声が聞こえたような、気がした]
[月光に照らされながらヌイのスケッチブックを覗き見て悪態をつく]
あんな惨劇の中お絵描きなんて気楽なものね?殺人鬼さん......
[手を確認すると傷が消えている。驚きながらも冷静になり淡々と悪態をつく]
その手......
まるでトカゲみたい
復元するの?とても人間じゃないわね?
[目の前の少女が涙を流している。小さな肩を震わせ、泣いている。
俺の手を握った彼女を、そっと抱きしめる。
自分の腕も震えてるのはわかっていた。それでも…それでも。
彼女を怖がらせないように、*そっと抱きしめた*]
[紐を手繰り寄せるようにして、その先へと進んでいく。
途中、牛を連れた少年の姿を目にした。どこかで出会ったような気がして、何となく嬉しい気持ちで、ひらひらと手を振って挨拶をする。
そして。
たどり着いたその先には、背を丸めて子どものように眠る人が]
誰だっけ?わからないけど、でも……。
[とても大切なような、懐かしいような。そんな気持ちで、紐で結ばれた相手の寝顔をじっと*見ている*]
[ホズミの手首を掴みぎりっと力を入れた。
首筋に微かに傷がついたのが感じられる]
どちらが殺人鬼ですか。
死にたくないなら放って置いてくれればいいだけですよ?
[呆れた口調で行って、取り落とされたナイフを湖へ蹴りつける]
ホズミさん。
私が死んだ方々に何かしたのを見たとでもいうんですか?
身に覚えのない理由でいきなりナイフを向けられても、困ります。
色々あって気が振れそうになるのもわかりますが、落ち着いた方がいいです。
[ホズミの肩を軽く叩き、荷物をまとめて立ち上がる]
探すべきは、人ではない得体の知れない何かです。
[一度振り返り、真顔でそう告げた]
[ホズミの背中を見送り、しばしその場に立ちつくしていたが]
……ああ、やっぱり行かなくては
[例え無駄かもしれなくても、どうして引き止めなかったのだろう。嫌われるのを恐れて失うのは本末転倒だ。悔いる時間も惜しい。急いで湖畔へと走り出す。足元で舞い散る桜が、ふわりと...の周囲を包み込み]
え?
[視界が桜の花びらに遮られる。ピンクのカーテン。かき分けてもかき分けても視界には桜以外の何も見えず……桜色の迷宮へと*迷い込んだ*]
――乃木。
[すぐ傍にいるように、死んだ男の名前を呼ぶ]
ここに怪物は存在するのか?
怪物はどんな姿をしている?
願わくば何かしたい。
ならば何をすれば良い?私は何を手伝えば良い?
判らない。私には。
[口惜しそうに目を瞑る]
君のしようとしたように殺せば良いのか。
それでは何を殺せば良いのか。
[判らない。ともう一度、ただ悲しそうに言う]
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