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[一度振るった錐は払われた。
再び振るい、同時に低く蹴りを放って5thを牽制する。
少し遠く、ソラの苦悶の悲鳴が響く。
同時に耳朶に、目前の未来を告げる日記が響いた。]
───クルミ!
[ネギヤの背後に一度だけ声を投げ、
彼を振り返ってポケットからスプレー缶を出す。
”敵”へかける予定だったそれを、スプレーすることはなく、
12thの柔らかそうな腹部目掛けて鋭く*突き出した*]
[かけられた言葉にはもう聞き飽きたなと思いながら返事を返す。笑みを零す事も無く淡々と]
君だって今はここに来たばかりの見物人のようなもんだろ?
昨日見た感じだと…一緒に居た人達は君と仲良くしてたね。会話内容とかも手を組んでるようだった。
・・・羨ましいな。
[その言葉は小さく、彼に届くかどうかで。
その瞬間寄ろうとした人物達が行動を起こすと同時にネギヤがこちらに向けて叫ぶ。
まさかと彼を見れば手に錐があり、一歩身を後退させた。]
[直後彼の背が屈み、錐が自身の喉元へ突き出された瞬間、慌ててに背を反らせ何とか防ぎ。
次に振るわれる錐は防ぐ事は出来ず、左腕に突き刺さった。]
───…っぁああ!!
[瞬時に刺し込む激しい痛みが左腕を襲う。
痛みに震えながらも1stを睨み、後ずさりしながら鞄から即座に鑿を取り出す。少しの間お互い睨み合いになれば、直後に聞こえる女性の悲鳴。]
[そのほんの一瞬、1stが背を向ける。
今しかない
持った蓑を両手で持ち構え、こちらへ振り返ろうとする1stの脇腹目掛けて鑿を突き出した。
彼が腹部を押さえ苦しめば、その瞬間に思い切りの駆け足で彼から離れる。
刺さらなければ、足元を蹴り転がして。
無意識に走る方向は、マシロとネギヤが居る場所**]
俺は…諦めない。
[彼はどこか、自分と似ている。
戦いに物慣れない青年であるのだろう。
会話すれば、或いは親しくなれる青年だろう。
けれどそれらを切り捨て、対峙した。
何も出来ないなら───しないなら。
これは彼に向けた言葉ではない。
刃が返るのは、自分自身。]
[武器を支えていた右手首は捻られ赤いうっ血と熱を持ち。
包丁をつきたてられた左腕は血管を傷つけたか、赤黒い血が刺さったままの包丁の隙間からあふれ出している。
その痛みを堪えてけりだした足は、うまいこと11thの足をすくって――]
ぐ、あっ……!
[けれど、不安定な体勢での足技はこちらの体勢も崩すだけ。
上手くバランスを取れずに、通路に肩をうちつけ、傷に響いた痛みに苦痛のうめきがこぼれる。
それは11th>>316が上げた悲鳴に描きえて。
相手が痛みにもだえている隙きに、立ち上がった]
……っ、は、……これで、おわり……っ
[左腕に刺さった包丁を抜こうとしたが、右手首は捻挫のような状態になっているのか、痛くて力が入らない。
舌打ちして、元の世界から持ってきていたナイフを、抜いた]
…はっ、はっ…
[痛い。熱い。
ごろりと床を転がって、2ndから距離を取ろうにも
1回転が出来ず、呻いて。
ぐ、と、指が動かぬ方の手を伸ばして
開き、構えたのは。
そこから光の盾を出そうとするいつもの動きで]
…、くそっ…
[全く発動しない様子に、低く呻いた]
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