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[ぱくり、と食しながらも。
昔はこんなだった、というジュンタに]
ふぅん
[彼の顔を見つめながら小さく頷いた。
寡黙なイメージが強かった分、本当に意外だった様子。]
……。
[が、しかし。]
……、あたし、向こう向いてようか?
[二人の防寒具交換会に、にやにやにやにや]
やっと逢えるな、奈緒。
[一年間の留学を終え、妹が帰ってくる。
日付変更線を飛び越えて、この街に着くのは11月2日。
彼にはもう、永遠に訪れない明日。]
[昔はこんな奴だった。という彼の言葉に彼女がいた時の事だろうなと大体の想像はついて]
私といると昔に戻るみたい?
[最後に続いた言葉には複雑な思いでこてり首を傾げる。
ジュンタにマフラーを巻いていれば後ろを向いてようか?というイマリに]
なんで後ろ向くんですか!
わけのわからない気を使わないでください!
[びしっとイマリを指さして言った。]
[二人同時に、同じ旨の突っ込みを受け]
――。
[思わずびくっ、と止まり、見つめてしまうも]
……
[俯き、口を押さえ、ぶるぶると笑いを堪えた]
[いつもの帰り道。
足取りはいつもより軽い。
片手さげた紙箱には、妹の好物の駅前通りの和菓子屋のすあま。]
…お?
今日もここでたむろってんのか?
[通り道の公園。
最近良く見かける学生達に声をかける。]
なんだイマリ!そんなにおかしいか!
[つっこんでいると、ズイハラさんの声がして]
あれ、ズイハラさん………?
[キョロキョロ、あたりを見回して]
[笑いを堪えている所に声がかかり、振り向く]
あ、ズイハラさんだ!
[口を押さえていた手を挙げ、振り振り]
ズイハラさんこそ、こんな時間にー。
お仕事、忙しいんですか?
[なんとなく首傾げながら問いかけたりして。]
[ジュンタと同じ突っ込みをしたことがおかしくてくすりと笑い、イマリが笑いを堪えているのを見れば]
イマリ先輩…何、笑ってるんですか…。
[そこにここ最近良く見る顔がまた一人。]
あー。ズイハラさん、こんにちわー。
[手をひらひらと振り挨拶。]
[美夏ちゃんが微笑んでくれたから。俺は頭をかいて、笑ったと思う。なんだろう、自分でもよくわからない。不思議な感覚なんだ、この感じが。]
ごめん、いつか言う。
よ。
[口々に声をかけてくる学生達に笑って。]
まぁ、なんとか無理矢理明日の分も終わらせてきたとこさ。
明日は休暇取ったんでね。
妹帰ってくるからさ、空港まで迎えに行ってやらんと。
[その明日はもう二度と訪れない。
故に無意識に願うのは
…せめて明日を楽しみに待つ、今日という日が永遠に続く事。
降り積もる雪が消えていくように、この思いが消えてしまうまで。
今日が永遠に続きますように。]
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