「あなた、魔女をご存じ?」
早朝、戸を叩く音に応じて顔を出せば、そこには女が立っていた。
黒い帽子。
黒い服。
黒い靴。
帽子を飾る花の色も黒。
石膏の様に白い肌に、唯一紅を塗られた唇が言葉を告げる。
「そう。まあ、答えは何でも良いの。
あなたに出頭命令が出ています。魔女裁判へ」
羊皮紙を開いて、中を見せる。
出頭命令書。
あなたの名前。
嫌疑の内容。
裁判官の名前 ―― ドロテア・フィロー
それから審議会の正式な書類であることを示す、蝋の印。
「これを回避することは、即座に魔女と認めることと同意と見なします。速やかに出頭することを、勧めます」
能面のごとき無表情での、宣告だった。
***
■400ptで魔女狩りの時代を遊びませんか。
メモ、アクションはありません。
飴もありません。ptは400ですが使い切らなくても大丈夫です。
【この村には人間しかいません】
ファンタジーな魔法や人外などは出さないでください
■設定
基本お任せです。
齟齬が出たなと思ったら:勢いでごまかしてください。
・舞台:裁判所と呼ばれる石造りの建物です。
同心円で中心から、法廷、牢屋、庭(空が見える)、高い壁、になります。
一番外側の高い壁を通り抜けられるのは、裁判官の持つ鍵で扉を開けたときだけです。
■編成
標準編成で、最大11人。集まり次第開始。
10/13 0:00の時点でダミー込みで4人いたら開始します。
・狼:内通者です。魔女を密告する代わり、裁判官と何らかの取引しています。
・村人、占い師・霊能者・狂人・狩人:お任せです。
各自魔女を名乗ることは任意です。
・吊り:魔女だと思う者を裁判官に突き出します。
・襲撃:魔女だと思う者を裁判官に密告します。
・墓下に行ったら死亡です。中庭の一角で処刑されます。魂となってその場にとどまっている者もいるかもしれません。
■展開について
プロローグ:裁判官に出頭命令書を渡されて裁判所に来るところから始まります。
1日目:裁判が始まります。自分たちで魔女だと思う者を一人、明日までに選ばなければなりません。
2日目:裁判官のドロテアが、法廷で死亡しています。外傷は無く、引き継ぎで現れた別の裁判官は、魔女の仕業と告げて行きます。
3日目〜:裁判が続きます。
村建て発言はありません。
エピになったら、中発言解禁してください。
■その他
・プロローグ中のpt回復目的の出入りは非推奨です。
・アンカー、現在地欄など使えるものは使ってOKです。
・でも漢文みたいに記号満載になるのは非推奨です。
・ダイイングメッセージの利用はご自由にです。
・処刑・襲撃は、フィーリングOKです。ランダムも可。
・迷ったらどんどんやっちゃいましょう。みんなで笑いあえることを目指してください。
***
裁判官に連れられて来たのは、村のはずれにある石造りの建物。高い壁に囲われた、裁判所。
重い門をくぐり、雑草の生えた中庭を通り抜け、石造りの建物に入る。ぐるりと取り囲むように廊下と牢屋があり、壁を隔てて中心の空洞が、法廷だ。
「部屋は用意しました。
水と食料は、毎日届けます」
そう言って女が手渡してくるのは、牢屋の鍵。
「あなたが魔女でないと言うのなら。
早く魔女を見つけて我々に教えてください。
そうすれば――]
助けてあげますよ。
赤い唇が、確かにそう動いた。
ついてねえ……
[無情に閉じる扉を見て、男はもそりと呟いた。
よりによって魔女狩りにあうなんて思ってもいなかった。隣村まで配達で出かけることはあって、そこでは魔女狩りの噂も聞いてはいたけれど。
まさかこんな村まで裁判官がやってくるとは、思ってもいなかった]
そりゃあかわい子ちゃんには声かけたけどよ。
[村では配達業よりもそちらで有名になりつつあるが、それは女性に対する礼儀だと、男は思っている。
その一環で声をかけてしまったのが先ほどの裁判官で――まさかそのせいで魔女疑惑をかけられたわけではないだろうと思うが――現状、苦笑いしか出ない]
どうするか、なあ。
[手の中に残った鍵を放り投げ、空中で掴む。
とりあえず、ドーナツ状の建物の中を見て回ることに*した*]
魔女。
[音なく動く薄い唇。
女の紅と対照的に色のないそれ。
そして表情もまた、分かり易く対照的なもの。]
俺が。魔女ね。
[く、と。
やがて洩れた薄い嘲笑は、開口一番の女の問いに答えを返すものではなかった。]
私が、魔女……?
[どうしてそんな疑いをかけられたのかは
分からないし、身に覚えがない]
[どこかで他人ごとのように思っていたが
まさか自分が、だなんて]
…お袋、大丈夫かな。
[魔女裁判の名を聞き、開店準備を共に行っていた母親は泣き崩れた。
父が死んだ際も泣かなかったあの母が、だ。
どうせ、店にツケのある奴らか、暴れたのでつまみだした奴らの誰かが、こんなろくでもない事を裁判官に吹き込んだに違いない、と顔を顰める。
早く帰ってやらないと。
そう、小さく呟いた。]
― 法廷 ―
[円形の部屋の中心にある台に尻を乗せる。被告人席だか証言台だかしらないが]
ろくでもねえ。
[鉄格子がはまった牢屋を部屋と呼ぶ神経も。思ったよりも深刻そうな、この状況も。
苦々しく口を曲げることしかできない]
[法廷の出入り口を見る。
部屋の中は静まりかえっているが、外には幾人か、人の気配がした]
まったく。
[ぼりぼりと頭を掻く。
ついてねえよな。
ぼそり、と。
言葉を口の中で*転がした*]
***
煉瓦積みの男の問いかけ(>>4)に、女は無表情のまま答える。
「閉じこもりたければ好きにするといい。
あなたは魔女であるという疑惑を晴らすまでここを出られない、それだけです」
牢屋に隠り魔女から身を守るというのならそうすればいい。
中庭を歩き高い壁を登るというのなら止めはしない。決して登れるような壁ではないと身をもって知るだけだろう。
なにより、逃げれば即座に魔女と見なす――
と、その言葉を告げることはないのだが。
『……その方がいい』
追ってくる言葉に、女は瞳を動かし男を見た。
「――明日」
唇に、話す、以外の力を込める、微かに。
それが笑みだと気づく者がいるのか、女には興味のないことだ。
「答えを聞きに来ます」
容疑者に鍵を渡す。裁判官の仕事のひとつめはそれで終わりだ。新たな容疑者を誘うために、女は踵を返した。
***
-→法廷-
[内部に入り、勝手に建物内部を見て回る。
法廷と呼ばれる部屋に立ち入り、台に腰掛けた男>>12を見る。
扉を開く音に、相手も気付いただろうか。]
…ユノラフ?
お前も来てたのか。
…裁判官、って訳じゃないよな。
[少し、声に警戒の色が混じったのは、女が残した言葉故に。
魔女を見つけなければならないのだ。]
まあ、いい。
当面は疑いをどう往なすか。
隣家が3つも立て続けに妙な失踪を遂げたゆえか、
はたまたぱーっと使った大金の出所を疑われたか…
ま、理由は何でもいいやな。
[固い椅子を億劫そうに揺らす。
女が去った後も暫くそうしていたが、やがてばりと後ろ頭を掻いた。]
― 庭 ―
[部屋という名の牢を出て、廊下から庭へ。
ドロテアか他の者が連行したのだろうか、他者が足を踏み入れた形跡があった。幾つか。
裁判とは言うが、ロクなものじゃあないことは想像に難くない。]
何人抜きだ、こりゃあ。
……さあて。
博打で馬鹿当たりした、あん時のツキ。
……まだ残ってやがるかねえ………?
[澄み切った空の青と、中庭の一角に落ちる暗い影と。
皮肉なその対比をわらう。*]
[裁判官か、と問われた声の質には気づいてはいたけれど、視線を落として肩をすくめるのみで]
他に?
ああ……
[視線を扉の方に向ける]
疑われている者同士、顔を見ておくのも悪くないか。
[嫌でも顔を合わせることになるだろうから。返す言葉も独り言のような*声*]
[普通の家で普通に育ち、
普通ではない状況に置かれた娘の身を案じ
悲しみを隠せない両親と兄弟。
なにせ、魔女裁判の容疑者が無事に戻った例は
聞いたことがないのだ。
知られていないだけなのか、
本当に「いない」のかは分からないが]
……じゃあ、行ってくるね。
[戻って来る、とは言えなかった]
[裁判所につき、
まず自分にあてがわれた部屋へと向かう]
ありえない……
[いきなり魔女の疑いをかけられ、
牢屋をあてがわれた娘の感情は
怒りとか悲しみとか――
そういう単純な言葉で表せるものではなかった]
―自宅―
……魔女裁判?
[来訪者へ向けた瞬きは、
どこか場違いにゆったりとしたものだった]
本は、持ち込んでも良いの?
昨日の夜に読み切れなかった奴があるんだよ。
[悲嘆すらなく。
やがて、男は"裁判所"へと足を向ける]
―裁判所―
イルマ…?
[自分より少し先に到着したであろう、昔馴染みの娘の姿を認めた。同じくごく普通に村で生まれ育った男にとって、歳近い彼女はよく話をする相手であり]
君が魔女だなんて知らなかった。
魔法が使えるなら、
もっと早く教えてくれればよかったのに。
[真顔でとんでもないことを言うのも、いつものこと。悪意がないことは察してもらえるかもしれないが、感情が渦巻いている彼女へは少々無神経すぎる発言だったかもしれない]
-法廷-
俺と同じ状態って訳か。
…お互い、不運なこったな。
[ユノラフの返答>>19に小さな声で。
よく店に来てくれていた客とこんな所で顔を合わせるのも妙な気分だった。]
…此処から出たら払って貰おうかね。
[ツケの単語にはそう返した。
此処と、法廷を見回して、漏れたため息と共に。]
…他の奴らもいるのか。
まだ顔を会わせてなくてね。
嫌でも顔を合わせる事になる、ってのは同意だ。
疑われる…な。
まったく…。
どういう事なんだか。
[ユノラフの独り言めいた言葉>>20に言う。]
魔女なんて――
[いるわけない、とは、言えなかった。]
ちょっ……何言ってるの!
そんなわけないじゃない!
[クレストの発言に動揺して怒鳴りつける
しばらくすれば、多少落ち着きを取り戻して]
というかクレストにまで
魔女疑惑があったとはね。
男でも魔女だって疑われるとか
どういうことなのか理解できないわー。
[親しい者の姿に少し安堵するが
それは決して喜ばしいことではない。
どちらとも、いつどうなるか
分からない身なのだから]
冗談言ってみたけど、元気でなかった?
[怒られたが、反省はあまりしていないようだ。相変わらずのんびりと続けて]
そうだねぇ。
男でも連れて行かれることは結構あるみたいだ。
お客さんからの話だけどね。…噂は、よく聞く。
[最後は、やや神妙な顔つきとなった]
僕は変わり者って言われているしね?
イルマこそ、どうして疑われたんだろう。
…でも、大丈夫。なるようになるよ、きっと。
[根拠のない慰めの言葉と共に、娘の頭を軽く撫でた]
そういう奴だと知ってはいたけど
まさか、この状況でそんなタチの悪い冗談言うとはね。
……とりあえず、呆れたのは間違いないわ。
[やれやれとばかりにため息をひとつ]
そうなんだ……。
だけど、いくらクレストが変人でも
魔女とか、ちょっとね。
どうでもいいことにしか使わなそうだけど。
……ひょっとしたら、誰でもよかったのかもね。
ありがと。どうにかなれば、いいんだけど。
[クレストの撫でる手はそのままに返事をした]
ん。何人か連れてこられてるな。
[扉の開く音、閉まる時の僅かな振動。
現場を見なくても、何が起こっているかは想像に難くない]
あいつらの理由なんて、聞いたところで納得出来る気がしねえが。
[ミハイルから視線を逸らす。
それは座っている向きにまっすぐ顔を向けただけではあったけれど]
――いねえよ。
[相手が飲み込んだ言葉を、意気込まぬよう、口にした]
少なくとも、俺は魔女じゃあ、ねえし。
お前は――
[疑問のような、確認するような、視線を向けた]
もし魔法が使えたら、1日の長さを3倍くらいにしよう。
ずっと本を読んで暮らせるね。
[真面目な顔で頷く。本当にどうでもいいことにしか、使わなさそうだった]
自分以外の誰でもいい、っていうのはあるかもな。
誰だって、裁判なんて受けたくはない。
嗚呼。でもいいことが一つだけあるよ。
普段は入れない法廷を見物できる。
[撫でる手を止めると、思いついたようにそう嘯く。実際は見物、どころでもないのだが]
折角だから、覗いてみよう。
じっとしていても、きっと気が滅入るだけさ。
……。
[いねぇよ、と明言するようなユノラフ>>32の声。
続く言葉に笑う。]
俺が魔法使えるって言うなら、ツケなんてとっくに昔に回収してる。
[微かに笑う。]
――魔女がいねぇとしても。
裁判官の目から見たら。
……此処に、魔女がいるのかもしれねぇな。
[呟き、煙草を取り出し、咥えた。]