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[豚の如く肥えた男の悲鳴。
どうやら命までは取られなかったようだ]
――これも、神の与えし試練ですわ。
[胸に右手を当て、視線で空の一点を振り仰ぎながら呟く。
右手の甲には浄化の力持つ有翼人の証――紋章の如き複雑な痣が浮かんでいる。
その痣が視線を集めたなら、その間に下手人は闇に紛れているだろうか]
『天使様!』『お救いを――』
[既に豚男も下手人も信者らの意識にないと気付き、うっすらと唇の端を上げる。
混乱の中で更に被害者は増えていくが、天使に跪く人々の眼には映らぬようだ]
ええ、尊き娘の命は捧げられましたわ。
でも、儀式はこんなにも血で汚れてしまった――
[ばっと風を切る音を立て立ち上がる。
その左手には弓、右手には矢。
右手の聖痕が浄化の光を放つ]
――だから失敗! 失敗ッ!!
救いなんかありませーんッ!!
[頭垂れる人々に向けて矢を放つ。
右手の四本が尽きれば祭壇を蹴り舞い上がった]
[生贄の少女は神に召される前に殺され、そして新たな血のショーが始まるのを、ビルの上から冷やかに見降ろしている。
飢えた少年も、翼の生えた亜人も。
首袋を振りまわす女も、全てが滑稽な舞台のよう]
…………ねえ、ドロテア。
あんたは私を怨むかしら。
あんたの決意を無駄にさせたのは、渡しだから。
[鳥が光って弓を放った。人は鳥に向けてすがる様な目線を向けたまま、弓の犠牲になっていく。]
あーあ、そんなに殺したら、ご飯が減っちゃうじゃないか。
鳥は、きっと馬鹿なんだな。
にいさまは、食べる分だけ殺しなさいって言ってたもん。
[死にゆく人には何の感情も覚えず、バラした足を咥えながら、鳥をじーっと見ている。]
[でもね、と言葉を区切ると醜い豚のような男へと蛇の眸を移して]
あんな男のために、あんたの命をひとかけらだってあげたくなかったの。
これは私の我がまま。
……ごめんね。
[最後の別れを告げて、ビルの屋上を後にする。
もう此処には用はないと言う様に**]
ふーん、あの人達は「すくわれたい」のか。
「すくわれる」ってよく分からないけど、あの人達、ちゃんとご飯食べてなさそう。
食べ物はここにいっぱいあるのにね。
[座り込んで足をバリバリ食べていたら、そこに弓が飛んできた。]
うわぁ。
[座って食べていたので、避けきれず脇腹を掠める。]
な…、なにするんだよう、馬鹿な鳥!
[首無く崩れた少女の亡骸を、三白眼は一度きつくねめつけ、視線を外す。
しかし、さて。
あの白羽はこれだけの量の群衆をすべて射殺すつもりだろうか。
食料にありつけた空腹人、その傍にあるか両目を隠す誰かも、同様に全てを捕食するつもりでもあるのだろうか。
逃げ惑う一部の流れに紛れ、その場を離れるも。
事の成り行きはどうだろうかと隠れ見守れる位置には留まるつもり**]
馬鹿な鳥……?
[ひく、と唇の端を痙攣させ]
黙んなさいよ、人喰いデブ!
ブクブク太ってるから矢も避けらんないのよ!
[少年の体型を口汚く揶揄する。
番えた矢を血塗れの口に向け、右手を放した]
― 双子ビル・中階層 ―
…喰いはじめたかア
[捕食者たちは、群がって儀式を朱に塗り潰す。
口唇の端から黒煙流す儘、軽業師の男が言ちる。
惨状を望む、街の意志めくうねりを見る心地。]
出遅れた奴は、待ち構えられて
デザートにされちまいそうだね?
[梁の上へと立上がりながら、遠くを見遙かす。
デザートと言いながら口にするコークスの塊。]
そろそろ、かな
[人の流れと来し方と――
引揚げ屋を営む奇人は、行先を定め動き出す。
常ならば出入りに難い場への侵入も易いこと。]
腹が膨れたあとは、さて…
みんな何が欲しくなるやら だ
んあ、話もせずいきなり弓を打つのは野蛮な馬鹿だよ!
[血塗れの口にむかって矢を放ってきた鳥に、怒りを込めて咆哮する。
みるみる身体が変化していく様子は、他人に嫌悪を抱かせるだろう。
異様に長い手、体毛一つない身体、赤い目に大きく裂けた口、黒い皮膚と、もしかしたら鳥=天使と対局の存在を連想させるかもしれない。]
痛いじゃないか!
[口を手で守り、刺さった矢から血が染み出す。矢を引き抜き、バリバリと食べ出す。]
馬鹿な鳥、黙れ!
[鳥に近寄って、長い手で相手を引っかこうとする。空中にいる相手に届くだろうか?]
るっさいわね、低脳地上人!
[程度の低い言い争いをしつつ、次の矢を手にしたが]
――――なっ!?
[目の前で、少年の体が変化していく。
己と対成すような、赤き瞳持つ黒き異形。
地上にも「ただのヒト」は少ないとは聞いていたが、目の前の鈍そうな少年が――]
ただのデブじゃなくてバケモノだったのね……。
[翼人以外の異形など、人間以下の醜い生物としか映らない。
おまけに無機物の矢まで喰い出す姿に、舌打ちし後退する]
黙るのはそっちっ――
[相手の動きは予想外に素早かった。
そして油断していたせいだろう、後方で揉み合う人間に気付かず踵を引っ掛ける。
逃げ遅れた足を手が掠め、ほつれ一つないスカートが引き裂かれた]
何すんのよぉっ!!
[右脛に鈍い痛み。そちらに意識が移る前に、化け物の顔へ向け弓を引く。
既に態勢は逃げに入っており、当てるよりは牽制の意味で一撃を放った]
[緩く掲げた手の指先に引き摺られるように、周囲の瓦礫が宙へ浮く。鉄錆の浮いた拉げた鉄線が、鋭い紡錘型に縒り合わさる。]
……――――…
[ズキリと痛む其れは何かは不明。手首を捻り、掌を下向きから上向きにすれば、硝子と鉄線で出来た凶器も浮いた。
高く手を掲げ、]
[ひゅっ―――――]
[逃げる態勢を取ろうとしていた有翼人に投げる。
選んだのではなく、目立っていたから。]
[化け物が尚も腕を振るってくるなら、次の一撃を仕掛けようかと――完全に意識をそちらへ向けていた一瞬。
衝撃が思わぬ所から来た]
あがっ――!?
[左の脇腹を抉るように。
硝子と鉄線を寄り合わせた歪な槍が、激突し通り過ぎた]
痛、あ、痛ああああぁぁっ!?
[バランスを崩し、無様に翼をばたつかせる]
お、落ち、落ちる訳には――!!
[敵の眼前だから、ではなく、有翼人の矜持として。
白き衣装が赤く染まっていくが、激痛を堪え飛行を安定させようとする]
化物じゃない化物じゃない化物言うな!
[力任せに振った手には手応えがあった。手には血痕。もう一発殴ってやる、と思ったところで、鳥から新しい矢が放たれる。
避ける事もせず、もう一つの手で防御する。新しい傷口から血が噴き出す。]
痛いよう、痛いよう。
[異形の顔が痛みで歪んでいた時、横から鳥めがけて、歪な槍が飛んできた。マティウスの槍!]
……美味しそう…―――
[有翼人の血の匂いが鼻腔を擽る。
投擲し終えた侭の手首が、弧を描き、ゆるりと大きく円を描く。先のズキリとした頭痛は一瞬のものだったらしい。]
美味しい、の、か、な、
[今度は、大小ばらばらのコンクリート片と、硝子片が浮かび上がり、切っ先などない、太い棒と言った方が良い塊の槍が形成された。]
[有翼人の悲鳴が、
ある種の心地良さを持って耳朶を擽る。]
美味しい?
[投擲。喩え当たったとしても、貫通は出来ず物理的な衝撃と言った方が相応しいだろうか。]
くあっ……
[どうにか化け物の手が届かない高さで飛行を安定させる。
跳躍されたり、飛び道具があればそうもいかぬだろうが。
何より、最も警戒すべき相手は――]
誰っ!?
有翼人様を傷付けたのはどこのどいつよっ!!
[脇腹の出血が酷いが、手で押さえては武器が使えない。
呼吸を乱しつつも、先程までの余裕が消えた表情で群衆を見回す]
――そこかっ!!
[視線の先には見覚えある姿、目を覆った男が槍らしきものを形成していた。
素早く弓を引き、額を狙って矢を放つ]
[血に塗れた首袋を片手に、意気揚々と屍の中を走る。
混沌とした状況のためか、追手は不思議といないようで
急ぎつつも、どこか風景を楽しむかのように
女は機嫌良く歩みを進めていった]
…アイヤ、豚の化け物が暴れてるヨ。
それに有翼人やよう分からん異形まで…。
触らぬ神に祟り無し、ネ。
関わらないように行く良いヨ。
[遠目で行われている鉄火場にそう呟き
避けるようにその場を後にした]
知るか。
でもきっと、地上人の汚染肉よりかはマシだわ――!
[コンクリートと硝子を固めた棒状の武器。
こちらの矢よりも発射はやや早かったか。
貫通力は低そうだが、まともに受ければ骨も内臓も一溜まりもなかろう]
――――っ!!
[左手の弓を体の前方へ。今はその強度を信じるしかない。
そして同時に、全力で翼を前方へ叩く。
体は逆に、大きく後退を開始する。
そして激突の瞬間、その身は弓もろとも後方へぶっ飛ばされた]
[切っ先。総毛立つ感覚に突き動かされて、その場から転がり逃げた。肩口の肉を深く貫き抉りながら、浄化の光に満たされた矢は穢れた大地に突き刺さる。]
うぅ……―――
[片膝立ちで、地面に突き刺さった矢を引き抜き、]
あああああああああああああ
[咆哮と共に、「纏めず」に周囲の大小の瓦礫を「そのまま」、有翼人へ向けて押し出すように向かわせた。瓦礫の中に、わざと紛れ込ませた訳ではないが、引き抜いた矢も返送する。]
[体を仰け反らすようにして、棒槍を受け流しつつその下方へ回る。
受け止めた衝撃で胸が軋み、咳き込みながら翼を下に落ちる。
意識は一瞬飛んでいたか――しかしそれも、咆哮により引き戻される]
なんなのよ、あの力……無茶苦茶……
[浮き上がる大小の瓦礫に半ば呆然と。
それでも、そのままではされるがままだと、痛みを押して再び羽ばたく]
ナメんじゃ、ないわよ……!
[身を捻り、左側へ回り込む形で避けようと、右の翼で大きく宙を打つ。
多少の瓦礫がぶつかるのは耐えるしかないと、そう判断した、が]
あ、
[悲鳴は小さかった。
風切り羽根の付け根辺りに、それは抵抗もなく突き刺さった]
ああああああああ――っ!!
[絶叫が響く。
紅い羽根を数枚散らして、弾かれたように高く高く飛び上がり、それっきりその場を去った**]
[ひら、ひら、と甘い匂いのするものが鼻先に落ちてきた。舌を伸ばし、朱い羽を絡め取る。]
[くちゅ]
[軸部分を口の中で折るようにして咀嚼した。地上とは違う、汚染されていない血の味だが、汚染されていない事を考えるだけの意識が今はない。]
――――……
[喉を鳴らし、羽を嚥下。
ふら、ふら、と危なげな足取りで、
血の匂いを頼りに、ベルンハードの元へ向かう。
辿り着けば、とすん、と膝を付いた。]
けが、血、痛い、の?
[そして、拒まれなければ、矢で貫かれた傷痕へ向けて、口づけるように流れ出た血を舐めようとするだろう。]
[逃げ惑う宗教者たち。人肉を食らう者たち。天の者の悲鳴。血肉の中に散る翼。
宗教画家や異端の作曲家がこの光景を目にすれば、歓喜の声をあげ、天啓を受けて筆を取っただろう。
悲しいかな、薬による高揚の去った男にとっては総てが騒音に過ぎない。]
[項垂れた男は頭巾を外し、黒髪を顕わにする。
舞のついでのように蹴られた額から、脈打つ血が流れ続けて片目を塞ぐ。そここについた煤を払うこともなく、血を拭うこともなく項垂れている。]
[片輪の足音のような羽ばたきが遠ざかり、やがて喧騒も静まったようだ。]
[儀式は失敗に終わった。やがて、惨劇を隠すように夜の帳が音もなく下りる。弱者は怯え惑い、身を縮めて赤い夜明けを待つための時間が訪れる。正気ある者の目は塞がれる、ここからは、狂人、異端者、残虐を好むもの、無法の世で特に法を嫌う者どものための時刻だ。]
[夜闇の中に溶けるように、するすると男は動き出す。]
[既に一仕事を終えた夜盗の首を撥ねる。
遠く、夜盗に襲われたものの事を思う。]
もし集落を作って暮らしていれば。
金品を返しに行けば。どう思うだろうか。
[掠れた声で呟く。
未だ地面が咀嚼しきれずに溜まる血の中に散らばる物物を眺める。これだけあれば、数人の集落でも暫くは飢えを凌ぐなり殺し屋を雇うなりする事ができよう。]
[今更人に感謝をされてもそれが何になるというのだ。
心の餓えには、何の足しにもならないではないか。]
[では、どうなれば、あての無い復讐は終わるのか。道程は、思えば思うほど苦しくなる。
薬効の切れたあとの思考であれば尚の事、暗いほうへと勝手に落ち込んでいこうとする。この世界を覆うような、絶望と閉塞感に吸い込まれてしまいそうになる。]
ならば、
[躊躇っていても仕方は無いのだ。足元だけを見て歩むのが良かろう。
そう、見下ろす足元には、死体の首から、生命活動の名残で弱弱しく押し出される血が広がっている。こう暗くては水溜りと差異は無いが。]
[血溜まりから金目の物を幾つか失敬する。
屈んだ時に視界がぶれて、一度、濡れた砂を掴んだ。
片側の視界は暈けたまま。いつの間にか出血は収まっているが疼くような痛みがある。]
[ひとつ、目を向けると路上に一枚の羽が落ちている。
恐らくはただの鳥の落としたものだが]
……天上に、選ばれた者の楽園がある、と
戯言の類かと思っていたが、さて……
天上人は、罪をおかすと地上に落とされる……そうも言っていたか。一体、どのような罪をおかせば、このほの暗い地上になど落とされるものか。
この地上で生き延びる事以上の罪があるというのか。
浄化など……
[体を引き摺るように、歩き出す。
酒瓶を置き忘れてきた事が、酷い失態のように思えた。戦いのさなかで砕けてしまったかどうかも記憶にはない。その事がまた、薄暗い後悔と、過去を裏切ったかのような罪悪感の形となって*足元に絡み付く。*]
[祭壇での狂乱の宴など知りもしない、そんな涼しげな顔をして。
仕事中なのか、何時もと同じように交配した街中を駆け回る軽業師の男へと声を掛ける]
ねえ、そこの色男。
遊んで行かない?
[するりと伸びる白い脚。
煽情するようにそれを見せつけて、細い指でさらに煽る様に撫でて]
今ならサービスしてあげても良いわよ。
[蛇の舌のように赤い唇が、にぃ…と弧を描いた]
[胸元から覗くのは、白い封筒。
いつぞやに、彼が己の元へと運んだ手紙。それの端をちらりと見せて]
コレのお礼もしなくちゃいけないし。
ね、いいでしょう……?
[シナを作り、媚びるように男へと絡ませる腕。
ぴたりと豊満な胸を押し付けて、その膨らみの柔らかさを伝えるか]
…… ……。
[自分よりも背の高い男の耳元へ、背伸びをし顔を近づけて。
ふぅ…と息を吹きかけた]
……ね。いいでしょう?
[男の腕から身を離し、胸を強調するように己の身体を抱きながら]
あそびましょう……?
[紅い唇が紡ぐ声は、微かに震えて。
まるで少女のような響きを滲ませていた**]
[――妖艶な蛇が、手管を凝らす。
ちらつかせた封筒と其の肌、どちらが白いか。
ふ、と籠る男の吐息は黒く澱む色を憚るよう。]
…
[応えせぬ間にも、被せるような誘惑の言。
片腕で窓枠へぶらさがった儘、軽業師の男は
しなだれかかる娼婦の太腿へ掌を這わせた。]
[遠慮のなさは、擦れた女にも伝わろう。
蛇めく彼女の鱗を探すに似る手つきが、
太腿から昇り骨盤のかたちを確かめて、
緩く甘く腰裏を摩りながら窪みを降りる――]
[柔く身を揺らして、するり
隣家へ跳ぶ足場、それだけのはずだった
宿の庇下、其の部屋へと――滑りこむ。]
骨でも 抜いてくれるのかい
[室内へ降り立つと同時、男は口の銜を離す。]
…お嬢ちゃん
[年齢もそう遠く離れているとは見えない
――毒蛇めく仕草の彼女をそう呼んだ*。]
[男の大きな手が肌の上を這えば、艶めく唇から漏れる、甘い吐息。
何かを確かめる様にごつごつとした手が這う度、ふるりと震える身体。
恍惚とした顔でその手を受け入れる]
…… ……んっ。
[柔らかな尻をきつく掴み上げられても、悲鳴を上げる事はせず。
それどころか、男を見上げる顔は何処かうっとりしたもの]
骨以外のモノも、お望みならば……。
[室内へ降り立つ男の足元に跪き、銜を外した男の顔を見上げながら。
その手は柔らかく男の脚を撫で、その中心へとゆっくりと登っていく。
お嬢ちゃん、と。
名前ではなくそう呼ぶ男に、曖昧な笑みを浮かべて]
ああ、それとも。
骨抜きにするほど激しいものを、お好みかしら?
[顔に掛かる黒髪を指で描き上げながら、ふわりと微笑んだ*]
― 時間は前後する>>30 ―
[落暉残照していた濁った赤黒い空も、今は一面どろりとした墨を流し込んだように夜闇を濃くし始めている。]
―――…お腹、空いた、な。
[ぴちょ――ぴた―――――ぴた――――]
[祭壇の最上段から、ゆるゆると流れてくる血の絨毯が、男の爪先を濡らす。祭壇へ顔を上げる。何処かで潰れた蛙の鳴き声を洩らす教祖の声。]
[本物の絨毯を歩むように、そっと、一歩ずつ階段を登ってゆく。凝固するにはまだ早く、粘度のない血が一歩ごとに足裏を濡らす。]
これ、匂い。
[途中で踏み付けたのは双眸を真横に切り裂かれた教祖の身体。ごつりという音がしたし、感触からは頭も踏んだのだろう。]
可哀相、だった、
[匂いの元に近づき、血の広がる床を探る。]
――砂塵の街・宿の窓辺――
おやん
ほんとうに随分とサービスがいいらしい
[膨らんだ衣服越しに触れられる脚は、
前日の浅い疵が心地よくひりつく。]
仕込んだオトコを褒めるべき…?
[灼熱抱く身に、女がいつまで
触れていられるかは知れず――
笑みの曖昧さを追求する野暮は犯さずに
…やがて身体の芯へ辿り着く手指に任せ]
ん
[絡みつく艶は、視線とも肉ともつかず。
香りばかりはクレオソート臭がかき消す。]
たとえばこういう殺し文句、
お嬢ちゃんも…使うんじゃないかい
[微笑みにかかる女の黒髪を片手に掴むと、
覗き込む己が面へ向けてくっと仰向かせ――]
[見上げさせる面持ちは、
笑みを薄うく広げていて]
…『 普通じゃ だめなの 』ってね
[尖らせた舌先に沿って どろぉ と
300℃超のコールタールが、娼婦の美貌へ
艶かしく迸る軌跡を――――*描いた*]
[血塗れの袋を片手に街をさまよい歩く。
ウルスラとの待ち合わせ場所は何処だったか]
・・・アの阿婆擦れ、連絡つかないネ。
生首持て待つ身にもなてほしいヨ。
[無線機を鳴らせど応答は無く。
久しぶりの大口報酬で随分豪勢なバカンスが出来るだろう。
それでも余った分はどうしようか――
そんなことを思いながらも、待ちぼうけの苛立ちは隠せない。
ウルスラの置かれた状況など、女は知りもしないか**]
仕込んだ男はもういないわ。
[蝮の娘となった時に、身も心も喰らってしまったから。
男の中心から手指を離し、薄く笑うその舌から零れ落ちるどろりとした赤黒いシャワーをうっとりと見上げて]
男って、本当に――……。
[その言葉の続きは発せられないまま。
悲鳴を飲み込む音と、肉の焦げる嫌な匂いだけが小さな部屋を満たして**]
[掌と指が、鳩尾の辺りから胸部、鎖骨、首と辿り――首から上がない事を知る。次は両手で、首から肩、腕部をなぞり、腰から脚、爪先へと、輪郭を辿る。
周囲の切れ切れの音から拾い上げ、意味らしきものに繋ぎ合わせれば、生贄の少女は、神に捧げられる前に、教団に仇名す者(或いは別宗教者からの刺客)により、呆気なく殺されたのだという事。]
……―――……
[音を洩らす代わりに、頷くように頭が揺れた。]
[頭がないから、涙を零していた事は知らない。
頭がないから、脳を食べる事もない。]
……―――――…、
[生贄としての衣装。其れは一般人が身につける物よりは上等な仕様だろう。喩え教祖が偽りの教えを掲げていたとしても、狂信の徒達が、神の生贄に相応しいよう装わせたに相違ない。
そんな事は知らず、手触りの滑らかを指先に感じながら、少女の衣装を破き、唇を開いた。]
[舞台上の演劇を、舞台下の舞踏を、コンクリートの壁影に隠れ見詰めている。
赤く濡れた浄化の翼は遥か高みへと消え。
その矢を受けた獣人じみた空腹人はどうしたか。
天使へと、無為から作り出す武器を投げつける両目を隠す男が段上へ――
生贄になるはずだった首無しと、瞳を切られ醜く呻く教祖は、その後どうなるか。
そんなことは、『カレワラ』の知った事ではない。]
……まア。
ここまで出来たナラ、花丸ヲやるヨ。
[滅茶苦茶になった儀式、救いを無残に潰された群衆は、混乱を抱えて悲観するしかないのだろう。]
特に、アノ天使が殺ッテくれたのが最高ダナ。
[弱者を突き落とす救いの手を思い出し、にたりと哂う。]
しかシ……
もし対立デモすることになれば、厄介ナ。
[その惨劇を演じた者達。
サーディはまだ良い、怪我を負い退いた天使も。
同じく怪我を負った獣と、人ならざる不可解な能力を見せ付けた二人組みは、三白眼には己の理想を叶える危険以外には映らない。
力ある者が生き残る。
それが真理だと思うも、こちらにだって、何をしてでも叶えたい願いもあるのだ。]
[皮膚を突き破り、殆どついていない脂肪の層を破り、その下の繊維ごと噛み千切る。]
いた、だき、ます。
[それから、思い出したように、
ベルンハードの食事前の挨拶を真似する。
両手を屍体の両側に付き、ぴちゃり、ぐちゃり、と音を響かせながら、食餌を。**]
[研究施設での暗澹たる刻が、血の色で塗られてゆく。
四つん這いになり喰らう姿は、情報屋に捉えられているかまで、男が知る事はない。*]
[馬鹿な鳥が悲鳴をあげて逃げていく、いい気味。
しかし、マティアスの能力には驚くばかり。物を変化して飛ばす、まさに人外人知の及ばない力。
家を探すまでの間、途中でお腹が空いたら食べてやろうと思っていたが、下手すれば返り討ちに遭いかねない。
形容し難い恐怖にぼうぜんとしていたら、傷口をペロリと舐められた。]
う…、んあ、何する。
[異形の身体を震わせる。相手の意図が分からず、恐怖が増幅されていく。]
[舐められた傷口、腕を引っ込め、半分涙目になり、あふれる感情を物にぶつける。]
うあ、うあ…、怖くなんかない!怖いなんて僕には分からない分からないんだからー。
[腕をぶんぶん振り回して、辺りの物を破壊する。それに巻き込まれた人間はご愁傷様だが、同情する人は誰もいないだろう。]
[長すぎる腕を振り回しながら暴れているが、傷口から腐臭と共に組織が剥がれ出す。身体を維持するには、捕食が必要だ。辺り一帯は形容し難い悪臭が充満する。]
餌…、餌…、お前もお前もお前もみんな餌だ!
[変化を解いて、辺り構わず人間を襲い食い続ける。いつものように食事に感謝する事もなく、只々飢えに対抗する為の捕食。]
喰ってやる、みんなみんな!
[そう、マティウスだって。こいつは【食べても大丈夫な肉】だ。喰う時までは仲良くしてやる。]
― 時間は暫し戻る ―
…っ、
[拒絶の言葉と感情の侭に振り回される腕により、
呆気なく、男の身体は跳ね飛ばされた。]
ごめ、ん。
[打撲傷を庇うように半身を起こし、項垂れる。
辺りに腐臭と新たな血臭が漂い始め、
男の爪先に祭壇上から流れてきた血が触れた。]
― →>>46そして現在へ ―
― 砂塵の街・宿の窓辺 ―
[――花もなく飾られていた花瓶が、倒れた。
零れた濁り水ほどのコールタールに塗れる女。
蹲る姿の何処が如何ほど灼かれたものか――]
居ない相手に、礼は言えないか…
[屈む男は、身の裡からの熱ゆえに頓着もなく、
最前まで蕩けた顔を晒していた娼婦を捕える。]
…で、
ホントは俺に 何の用?
[抵抗は如何ほどか、膝で押さえつけ跨る。
着飾る胸元を引き剥ぐと、零れる豊満――
手荒な扱いに揺れ、定まらないままの乳房。
その脇から、横薙ぎ
強かに平手を打ちつけた。]
* …痛い? *
[静謐な夜は訪れず砂塵の町は眠りにおちず。]
/*
異例ではありますが、
「ラウリさんが無発言のままの場合、村建裁定は出るかどうか」と、
ご質問を受けましたので、回答を周知致します。
一番良いのはラウリさんが来られる事ですが、
ラウリさんがこのまま無発言となった場合、
投票は、皆さん合わせられる可能性が強いと思っていますが、
襲撃の方は、人狼役の方に任せるか、襲撃なしか、の指示を出す事は決め兼ねます。
(以上回答内容)
人狼役さんは、>>0:#4を参照して頂いて、
判断して頂ければと思っておりますので、宜しくお願い致します。
*/
[鼻先を突っ込むようにして、肝を齧る。両手で、腸を掻き出し、まだ暖かさの残る血を啜り舐め、肉を引き千切るようにして齧る。膨らみ始めた薄い乳房を噛み千切る。]
[くちゃりくちゃり]
[咀嚼し、喰べる。ベルンハードのように、続けて喰い続ける事は出来ない。それでも、傍目にはガツガツと食べているように見えたかもしれない。]
はぁはぁ…。
[怒りと生命の危機に急かされた捕食は、心が満たされない。荒げた息を整えながら呟く。
マティアス…、これからどうする?
お腹はいっぱいになったよ。
僕…、1、2…、いっぱい食べた。
[ぼーっと上を見上げながら、呟いた。]
― ビル街・屋上庭園 ―
[高層ビル街の一角に、上層階のみが
クラシックなレンガ造りの建物がある。
屋上には今も庭園が残るが、
年月に風化した煉瓦は脆く崩れやすく、
この場所へ至れる者は限られていた。]
…ッ ぎ、
[奇形化して歪な花を咲かせる木陰から、
今は押し殺す態の苦鳴が漏れ聞こえる。]
[ガリ、と馬銜噛む音は常より高い。]
く、ア…
[煤の混じったクレオソートの香りを
娼婦の部屋へ残してきた軽業師の身は、
胸板から脇腹まで衣服ごと爛れていた。]
…は っ…
[口元から滴る血だけを拭い、振り返る。
人差し指がピンと伸ばされる。]
俺は、一人。
[ベルンハードに、そっと告げる。]
[尨毛の木に凭れる軽業師は
砕けた煉瓦の粉を直接創部へ擦りつけ
至極大雑把にも――焼け爛れた組織ごと
「毒」をその身から削り落とした。]
熱さに鈍いのも、考えもの…
っ痛…
[布も巻きつけず疵は剥き出しのまま、
仰向いて額へ片手を乗せ息を整える。]
よオ、ネーさん。
散歩ノようなモンダ。
……仕事ハ上手くいったみたいダナ?
[待ちぼうけているらしい賞金稼ぎを見つけるのは、多少の時間を有した。
とはいっても、夜を纏う広い街の中、これだけの時間で見つけられたのは、何の『情報』も無ければ奇跡としか言いようがないのだが。
持ち運んでいる漂う死臭も辺りに漂うだろうか。
彼女に向けて、手にする数枚の紙をガサガサと振って見せる。]
ほレ。もう必要でもないカ?
あの宗教団体の情報ダガ。
一人しか食べてない?すぐにお腹が空くよ。
[お腹はいっぱい、でも機嫌は悪い。
でもそもういどうでも良くなり、周りが見えなくなる。]
そうだ、お家に帰らないと…、お家。
[マティアスの事を忘れたかのように、外套を引きずって、ゆっくり歩き出す。マティアスがついてくるか、否か、それは感知せず、だらだら歩く。]
[大量の消化を基本とした人体構造はしていなかった。]
これ、から……。
[軽業師レーメフトとの接触で活性化された意識は既に曖昧となり、楽園を探す、といった事が薄っすらと意識の表層に浮かび上がってくる。「喰べる」と「狩る」「両方」という音も浮かび上がるが、]
待って。
[移動の音が聞こえて、声をかけた。]
楽園にかえる?
[既に歩き出したベルンハードは止まらないだろう。]
ん、案外大したことなかたヨ。
報酬出たら一杯くらい奢ってやるデス。
[血に塗れた布袋を持ち上げてニヤリ。
彼から渡された紙に目を通すが、さして
興味はないといった様子で]
仕事終わたシ、もう興味ないネ。
誰かが賞金かけてくれたら別だけド。
……あ、コイツとは逢たヨ。
色々がなて煩かたから、目玉割てやたネ。
[一枚の紙を取り出し、開祖と思しき男が
載った写真をヒラヒラさせてそう告げた]
[にやりとした笑みには同じような笑みを返す。
ピュウ、と小さく口笛を鳴らし]
流石ネーさん。有り難く奢っテ貰うカナ。
[渡した数枚の紙切れ、彼女がどう活用するかは彼女次第。
燃やされようが捨てられようが、あの宗教団体にもう価値はないのだから。
ひらり、見せられる一枚に、へえ、と一つ相槌を返し]
しっかし、俺モ遠巻きニは見ていたガ。
すごい人が集まってイタな?
それに……変ナのも居たようダ。
[仕事の対象でない者の情報など無価値であるが
特につっ返すことはせず、適当にたたみポケットへ。
カウコの言う『変なの』とは何のことか
一寸思い起こした後、頭に浮かんだのは]
変なの……有翼人カ?
それとも豚の化け物カ?人食い妖怪カ?
[印象に残ったのはこの3者か]
―ビル街 屋上庭園―
[無我夢中で飛び続ける。
最初は混乱で、次には憤怒で傷の痛みは忘れていた。
それでも疲労が限界に近付けば、何処かに足を下ろすしかない]
――っく……。
[崩れ掛けたビルの上層、庭園の如き場所に、たたらを踏みながら舞い降りた。>>68
下層から至るには危険なその場所は、何処か有翼人の住まう天空の園を思わせる。
そこに先客があることなど、今は思い至らない]
あの野郎……。
[矢を、或いは硝子や鉄の破片を引き抜き、衣服の裾を千切って止血する。
改めて見れば致命傷となるようなものではないが、問題はそこではなかった]
よくも、あたしの翼を……!
[しばらく黙って歩いている。
マティアスが言う楽園とは何か?どうも、お家の事らしいのだが、何故知っているのだろう?僕とにいさまだけの家の筈なのに。]
楽園…、ああそうかもね。
[ぽつりと呟く。]
鳥の血の匂いがする、ような…。
ああ、あの鳥は許さないよ。マティアスが食べたいならあげるけど。
あいつの羽根をちぎってやる。
[屋上庭園の近くを歩いている、ような。もちろん、自分がどこを歩いているかは分からない。]
[翼を汚され傷付けられることは、有翼人にとって最大の不名誉である。
もし仮に空を飛ぶ力を失ったなら、それは永遠に天上へ帰れず、地上を這いずり生きる事を意味した。
堕ちた有翼人は、地上人以上の蔑みを受けることになるのだ]
許さない……。
殺してやる……絶対、殺してやる……!
[呼吸も荒く庭園を彷徨い、身を落ち着ける場所を探した。
自身に囁く声を聞いたのはその時か]
――だれ、ですって?
[思いも掛けぬ人の声にはっと息を呑むも、一瞬。
鋭く問い返す声に、普段の甲高さは鳴りをひそめていた。
左手に弓を握る。まだ構えはしないが、いつでもそうする用意で]
悪いけど、あんたのお相手する気はないわ。
あたしちょっと、虫の居所が悪いの。
[庭木に身を隠しつつ、声のした方を伺う]
あれは元々此処の住人カ?
人喰らうヤツら、滅多に見たことないネ。
一度カニバリズムのど変態殺たことあるけど
あれはただの性癖ですダヨ。
異形であんな露骨なの、ナイネ。
[あんな大っぴらに異形が暴れる場面など珍しく
カウコなら立場上何か知らないか尋ねてみる]
まぁ、害あるならひそり過ごして欲しいネ。
ワタシに実害ナイなら好きにすればイイヨ。
[我関せず、と言った態度で。
尤も金がかかっているなら別だろうが。
あそこまで露骨に暴走する異形も珍しく
進んで関わりたいものではない]
― 屋上庭園 ―
[声を聞いてみれば、ぎこちない羽ばたきの音も
足音も先立って聞こえた――ような気がした。]
…ああ…
[割りと助かる。相手をする気はないと言われて
そんなことを考え、額から緩慢に腕を下ろした。]
そうらしいね、
…祭壇じゃご機嫌そうだったのに
[翼持つ其の人の声の調子にか、
尨毛の幹から僅か後頭部を浮かせる。]
[実験体の実験結果を反映した「完成品」は楽園に居る>>1:73と、きいた事があるだけ。]
[柔らかな果実に齧り付くように心臓を齧りながら、ベルンハードの匂いを辿って歩む。]
とても甘い、……。
[有翼人の事はそう称して。
生贄の少女を喰べたので、有翼人を喰べれるとは思いきれなかった。まだ祭壇上の床部分に転がっている者に後ろ髪を引かれる思いを飲み込むように、心臓を平らげた。]
…
「目をつけられたんじゃないか」って
言った気がするんだけど、俺
[ストップモーション中の其の人にかける声は]
羽根、どうした?
[まだ脂汗も拭えぬ己の有体を横へ置いたもの*]
この辺ジャ見なイ奴らサ。
隠れ住んでいたノかも知れネェガ、少なくトモ、話題ンなるようナ場所ニハ出てきて無かった。
セーヘキなんテ一言デ片付けられリャ良いガ。
あいつらガ出てキタのは、恐らくだが理由ガ……いや、まだ予測ノ範囲ダガ。
[言いかけて、口を噤む。
その先を聞くか?と視線だけを向けて。]
んあ、甘い?
[「きょうだいしまい」にはわかる、甘いという間隔。なぜ、僕には分からないのだろうか。もしかして、僕は完成品では…、いやそんな事ない。]
へー鳥は甘いんだ。僕も食べてみたい。
んあ、なんか鳥臭い。臭い臭い臭う鳥の臭い。
[マティアスを無視して、屋上庭園の方へ向かうだろうか?]
――うるさいわね。
[吐き捨てるように答えたが、声には余り力はない。
相手から手出しのないことに、内心安堵もする]
面倒な相手に絡まれたのよ。
地上にあんな化け物がいるなんて。
[気を付けるべきはせいぜい銃器くらいだろうと思っていたのだが]
それも、同時に二匹も……。
ここまで化け物の坩堝だとは思わなかったわ。
[男の忠告に耳を貸さずこの有り様なのは、恥ずべきことであった。
ぎり、と奥歯を噛む音で答え、顔を俯ける。
翼のことに触れられれば、思わず痛みの元を指で触れながら]
こいつは……異能者にやられた。
物に手を触れず飛ばしてきたのよ。
[そいつの顔を思い出せば、再び怒りと屈辱が沸いた。
それを素直に口にしたは、眼前の男が満足に動けぬと見て取ったから]
あの目隠し野郎……。
あいつだけは絶対に殺す。
[浄化、とは言わずに吐き捨てた]
アンタもあまり見たことなかたカ。
アレが性癖なら、ワタシ一生正常位だけで満足スルヨ。
[ケラケラと笑いながらそう言葉を吐き。
煙草を咥え、曇天の空に紫煙を吐く]
どんな予測ヨ?
そこまで言て終わる、無しネ。
お尻四つに割られたくなかたらちゃんと教えるイイヨ。
[絵本を愉しむ童のように、どこか無邪気な表情で
冗談っぽく言葉を返す]
[少女の死によって、少女に感じていた「可哀相」というものは消え融けて、疑問が音となる。]
何故……、選んだのだろう。
[少女の涙に触れていれば、何か感じ取れたのかもしれない。だがその機会は永遠に喪われた。]
……―――…
[足が止まる。先ゆくベルンハードとの距離が開いた。]
分からない……、少なくとも匂いは甘く感じた。
直ぐ、戻る。
[ベルンハードの背に声かけ、脇道に逸れようとした。]
――ノーマルが一番良いものさ。
[その一言だけは、冷やりとした真っ直ぐさを湛えていること、紫煙を吐く女が気付くかどうか。
すう、と一度息を吸う頃には、普段の声色を取り戻す。]
ここカラ北にある街から逃げテ来た奴の話ダ。
アル日、何ノ前触れも無く。数体ノ化け物が現れた。
そいつらハ特殊な能力ヲ持って、体のドコカニ奇妙なマークを付けていたラシイ。
そいつらハ、その街で数日、存分に暴れた後倒される事無クどこかヘト。
その後、仲間を大量ニ引き連れ戻リ、その街ヲ化け物ノ巣ニしたソウダ。
……状況、似てイルと、思わないカ?
それも言っ…
いや 何でもない
[面倒な相手等言う翼人へ言いかけてやめる。
漸く気が到り、腕で汗を拭い帽子を被り直す]
異能者?
――――…祭壇に、ああ
目隠し、ね
[――己の目の高さへ残る白いラインに触れ]
…殺すんだ
[>>92 マティアスの「すぐ戻る」は多分聞こえない。]
臭うんだ、甘い鳥の臭い。血が滴っている。
[屋上庭園への階段、といっても瓦礫の山だが、それを這うようにずるずる登り出す。]
あらら、冗談に乗かてくれないネ。
チェリーボーイだったらごめんなさいデスヨ。
[何処か冷やかな反応に気付きつつも
特段それに触れることは無く、あくまで冗談を重ねる]
ワタシ見たのは二体ね。
大量て程違うけど、アンタはアイツラが
北で暴れた連中と思うカ?
もしそうなら、ワタシ食いぶち無くなて困るネ。
アンタもワタシも路頭に迷うヨ。
…
[滲むどころでない激情を浮かべる其の人。
軽業師の男は、少し思案する間を置いて]
そこのぐらついてる羽根、
飛び回るに支障なく 固定してやれるけど
…お嬢ちゃん
ご自慢の羽根に シミをつける覚悟って
あるかな?
[脇道に逸れ、暫しうろうろと匂いの方向へ向かう。
何処に在るのかは分からない。少しずつ、近づき、]
――――――――…っ……
[何かに躓いて、転んだ。
その拍子に、其れも、砂塵の上を転がる。]
――いいわ。やりなさい。
既に一度傷を受けた身――
奴に報いを受けさせるためなら、汚れくらい。
[そうして、男の元へ歩を進め――]
[重ねられた冗談には、軽く息吐くように笑いを返す。]
同じカは分からない。
ダガ可能性は……それなりカナ。
……ダカラ、ネーさんに『依頼』しテモ良いカ?
もしもあいつらヲ見つけたナラ――
[バカンスに向かうと断られるか、食い扶持のためにと受けてくれるか。
指先に示す金額は、普通の一回より多く、先に彼女がこなした依頼より少ない程度。
異形である分、相手に手負いが見えた分、こちらも情報なりで協力する分を考えての値段のつもりだ。]
[身体中に擦り傷を作り、屋上庭園にたどり着いた。
とはいえ、庭園の体を保っていたか?]
んあ、鳥だ鳥だ。
[もう一人の人間には気付かず、鳥の方へゆっくりと歩き出す。手には、肉切り包丁。]
[依頼内容を聞けば一瞬眉を潜める。
それなりに腕が立つと自負しており、異形殺しも
数回経験してある。
だからこそ、彼等のタチの悪さも把握済みだ]
[とはいえ、提示された額はウルスラ程ではないにしろ
異形を相手にするには妥当、いやそれ以上の額。
気ままな旅の計画を立ててはいたが、
先の報酬と合わせれば旅どころかこの腐った街を
抜け出して暮らしていける程度にはなる]
[そして、幾許かの時が流れた頃。
ベルンハードが姿を見せたとき、
撓み軋んでいた床は庭園ごと割れ
煉瓦造りの上階層は半ば崩落を始めていた――――]
…標的は、豚と食人鬼の二匹カ?
アイツらについて知てること…
弱点、能力、姿形…何でもいいから教えるとイイヨ。
異形一匹ならその金額でOKネ。
二匹ともなら…足りないヨ。
[そう続けて、親指を立てる。
先の報酬には及ばないものの、更に額を吊上げようと]
[その足音が聞こえた時、既に翼は力を取り戻していたか]
――来たわね、化け物。
[その声に揶揄いの響きは無く、調子は低く昏い。
半目の視線が鋭く少年を見据え]
あんたの相手してやる暇はないんだけど――。
[包丁を持つ側の腕を狙い、弓を引く。
そうしている内、足場は崩落を始めた。
この程度の脆い煉瓦なら、容易く砕き穴穿つ程度の威力はある]
んあ、なにこれ。
[脆弱なレンガ床に、大きな亀裂が走り、いまにも床が崩落しそうだ。]
ちくしょう、鳥、お前の血を羽根を肉を食わせろ。甘いという感覚を味わせろ!
[包丁を持った腕めがけて飛んできた矢を、横に転がり何とかかわす。矢は地面に突き刺さる。]
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