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[笑い死に、と言われれば苦笑い]
ばァか。
アタシの死に方はもう決まってんの。
愛しい旦那と息子一人に、娘一人。
そんでもってそれぞれに孫が居たりして。
おばあちゃん、しんじゃダメ!しっかり!
なんていわれる中で、
あぁ、あたしゃ幸せだったよ…
ってね。幸せの絶頂で死んでやるのだ。
[あはは、と矢張り高笑い]
ん。じゃ、また電話するね
また、ね。
[声を受け、微笑みながら電話を切る。]
[切れば携帯をポケットにしまい込み]
……っ
[ふっ、と頭を振り、自分を奮わせて]
――。
[のしのしと玄関へ。
靴を履き、勢い良く外へと出るが、]
…え
[地から天へ還る白に、勢いを奪われ立ち尽くす]
-上原家の前-
なに、これ…
[降り積もったはずの雪が、空へ。
まるでたんぽぽが舞うかの様にも見える其れは。
確かに冷たい温度を体に伝え、揺れている。]
……。
[アンの声が脳裏に過ぎる]
――。
[この街はもう、
自分の知っている場所ではないのだと。]
[電話を切れば、俺は一眠りしようかと思った。美夏ちゃんは、どうしたんだっけ?飯食った後家に帰ったんだっけ?今一緒の家にいるんだっけ?美夏ちゃんがいるなら俺は炬燵で、帰っていたならベッドで寝る。]
あぁ、今日もいい日かなぁ………*
[暫くの間、ぼんやりと雪を見上げていた。
事実に思考が追いつくまで、足に力を伝える事も。
言葉を発することも、忘れていた。]
――。
[ようやくに、はたりと気付けば。
辺りをきょろきょろ見回すも、矢張り人気は無く。]
…どうしよう
[少し考え込み、]
…そうだ、あっちに
[すたすたと目的地へ向かい歩き出す]
[一番近いコンビニであれば家の裏だ。
だが其処には行く気にはなれなかった。
夕方に行って、其処に踏み入るのが怖いからだ。
人気の無い暗闇に、煌々と光り存在する建物。
誰も居ない店内はとても、気持ちが悪く。
ただ、怖い、と感じる空間だった。]
……。
[だから、少し離れた位置のコンビニへ。
誰か人が、他にも居るかもしれない。
探してみようという望みを託し、足は向かう]
-→ズイハラ、デンゴがいるコンビニ-
-コンビニ-
[やがて進む先にコンビニが見えてくる]
あ…
[良く見れば人影を二つ、其処に視認するだろうか]
…誰だろう
[まだ人だ、と認識できる程度で。
どういう人が居るのかまでは特定できず。]
いってみよ
[駆け足気味に、コンビニの前へ]
[コンビニに辿り着けば]
ズイハラさん!
[なんだか調子の悪そうな彼を見つけ]
デンゴくんも!
[彼に飲み物を渡そうとしているか、
もしくは店内をうろついていたかもしれないが、
二人を見つけ、声をかける]
……どうしたんです?
大丈夫ですか?
[ズイハラに近寄り]
[俺のトコ来るか?と言われて頷きかけて戸惑う。
そのまま男性の足元を見て考えた後]
ううん、オレは…へーき。
だって。
[かーちゃんが、かえってくるかもしれねーから。
それは言葉にはならなかった]
お、おおお、おっさん、大丈夫か?
[携帯を見たかと思うとよろけて座り込む様子に
思いっきりおろおろする。飲み物と頼まれて]
わ、わかった!
[店の中の飲み物の棚へ走った]
な、何がいいんだ、こういう時って。
[ついつい手に取るのは自分の好きな炭酸飲料で。
コーラとグレープフルーツソーダを手にとって振り返ったとき]
あ、ダンゴ!
[イマリが店に入ってくるのを見て声を上げた。
二人目の、動く人。しゃべる、人]
おっさんが急に座り込んじまったんだ。
[手の中を見て。さすがにコーラはないだろうと戻して
スポーツドリンクに持ち替えた。
どっちがいい、と二人のところに戻ろうとして外を見て]
雪が、空に上ってくぞ…
[ありあえない光景に目を*ぱちくりとさせた*]
−回想:コンビニ前−
[きっと顔をみられたくないだろうと彼の手をひいて顔は見ずにコンビニへと。そこにズイハラさんと少年の姿。]
隠し子…。
あの子、イマリ先輩と会った日に公園にいた子だ。
[何か勘違いしている様子の彼が邪魔しちゃ悪いと手を引くのに後に続く。
お腹が空いたと言う彼にくすりと笑いながら]
どっちの家行こう?
[こてり首を傾げ、彼の家の方が近いからとジュンタの家へと向かっただろう。]
−回想:ジュンタの家−
[彼氏でもない人の家にいて、ご飯を作ってるなんて変なの。と思いながらも自然と笑みが浮かび、お台所を借りて適当に何かを作り始める。
好きな歌のフレーズが流れ始め鼻歌を歌いながら。
料理ができれば大したものではないのに彼は美味しいと言って食べてくれた。
家に帰るかどうするか、でも誰もいない家に帰るのは嫌で]
もう少しここにいてもいい?
[彼にそう尋ね彼がいいと言えば少し他愛のない話をしながら、時間を過ごし、気がつけば炬燵でうとうとし始めるかもしれない。
彼の携帯が鳴り、誰かと話始めたのにまどろみの中で気づいたが、話の内容は良く分からないまま夢の中へ。**]
[ふと、美夏ちゃんが心配になり目が覚めた。気がつけば一緒に炬燵で寝ているようで。絶対に風邪をひくと思ったから、彼女を抱き抱えて俺の部屋へ運んだ。触っちゃまずいとこに触らないよう気をつけながら、自分のベッドに寝かせて布団をかけた。なんとか理性を保っている自分が、誇らしくもあり情けなくもあり。そっと彼女の髪を撫でて、俺は自室の床で寝た。]
据え膳食わぬはなんとやら。俺、恥さらし*
[もぞもぞと動けば眠りについた時とは違う感覚。
ゆっくりと目を開ければそこはベッドの上で。]
あれ…?いつの間に?
[こてり首を傾げて部屋を見回せば床に寝ているジュンタの姿。]
ジュンタ…何で床で寝て…。
あ…そっか。私がベッド取っちゃったから。
っていうか運んでくれた?
―夢―
そこは真っ暗だった。音もなく、光もなく、俺は迷っていた。いや、光を失っていたんだと思う。目を閉じていたんだ。耳を塞いでいたんだ。自責と、後悔と、悲しみで。この闇は、永遠に続くような気がした。それでもいいんじゃないかと、諦めていた。動こうともせず、ただ漂っていた俺。そんな俺の閉じた耳に、声が聞こえた気がする。
「ジュンタ」
誰の声だろう?女の子の声のような気がする。だんだんと、瞳が開いていく。あぁ、世界は、こんなに明るかったっけ?
[眼をこすって彼を起こすか起こさないか迷っていれば]
あ…起こしちゃった…?
床で寝させちゃってごめんね。
運んでくれたの?重かったでしょ?
[にこりと微笑み、おはようと声をかけた。]
あ、美夏ちゃんおはよ。
ぜーんぜん軽かったって。寝心地悪いベッドでごめんな?
男のベッドって、嫌だよな普通。
[体を起こして、寝ぼけ眼で美夏ちゃんに声をかけた。]
俺は全然平気だから!よく間違えて床で寝たりするし!
[元気だと、頑張ってアピールしてみた]
[ふるふると首を振り]
ううん。ぐっすり眠っちゃった。
体とか痛くない?
寒いから風邪ひいたりしないでね?
[元気だと言うジュンタにくすりと笑いながらベッドから降り、はたと思いだしたように]
そういえば、昨晩誰かと話してた?
まだ他にも消えちゃってない人いたの?
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