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[友達がいないと言って泣いたふりをするイマリを見てくすくすと笑い]
恥ずかしい台詞…。
[イマリがいつから聞いていたのだろうと思いながら両手で顔を押さえ泣いたふりをしている彼女の肩が震えているのを見て]
イマリ先輩…。嘘泣きですよね?
[彼女の顔を下から覗きこむように聞く。]
[無理に笑うジュンタに]
うん。大丈夫なら良いよ?
[あまり触れられたくないだろうとそれ以上は何も言わず、聞かない方が良かったと思う。はぁっと吐く息は白くてマフラーをくるりと巻き直した。]
[お菓子を投げつけられれば]
わわっ!
[投げられたものが、びしっ、と体に当たり]
わっ、わっ
[地面に落ちようとするそれをなんとかキャッチ]
…なにこれ、くれるの?
って、これ…
[およそ、彼に似つかわしくない包みに笑いを堪える]
─駅前─
[雪が舞い散る交差点。
路面に放り出された、ピンクの小熊の携帯電話。
悲鳴はざわめきを呼び、人だかりを作る。
アスファルトを染めていく、赤い赤い水溜り。]
うん、ありがと。
[心配してくれた美夏ちゃんに、小さく微笑み。ロングコートを着ていたから、それを脱いで投げ渡し]
風邪ひくとまずいし。着てな?
[そして、爆笑するイマリに向き直る]
やる。やるから、笑うのをやめろ。はずいべ。
[急いで駆けつけた救急車は、スーツ姿の男をゆっくりと運んでいく。
残された野次馬達は一様に、諦めだけを抱いて去っていく。]
[ミナツに覗き込まれ、舌をぺろり]
ばればれ?
[あはは、と笑った]
[どっから聞いてたんだ、というジュンタの声には]
あれは、雪が笑ってるからさ。
生まれてこれて良かったって、笑ってんのさ。
だから暖かいんだ。
そう。俺が君に笑いかけるのもそんな理由さ。
だから君も今、とっても暖かいだろう?
[ジュンタのモノマネをしながらの言葉。]
[ジュンタからイマリへ投げつけられた物が自分の手の平にある物と同じだと気付いて]
イマリ先輩!それ美味しいですよー。
駅前のあの行列ができてるお店のクッキーですよ!
[包みを見て笑いをこらえているイマリに話しかける。]
[ジュンタに、やる、と言われれば]
ありがと!
ちょうど、本読みながら食べるもの出来てよかった!
[えへへーと笑った]
ジュンタってそんなヤツだったっけ?
[はずい、と言う彼に、にたにた。
小首傾げ、昔の彼のイメージと照らし合わせている]
─駅前─
[路上に転がったピンクマ携帯が、「めーるでふ〜★」と能天気な声。]
…あった、良かったー…。
代替機までやらかしたら、弁償だったもんなぁ。
[携帯を拾い上げつつ安堵の声。]
物真似してんじゃねぇ!
あぁ、俺のクールなイメージが壊れていく……
[頭をかかえつつ]
昔はな、こんな奴だった。
去年からだ、俺が黙ったのは。
美夏ちゃんといると、昔に戻るような感じだ。
嬉しいのか悲しいのか………
[ミナツの声に、包みをまじまじと見て]
だよね、だよね?
…ジュンタってばもう、健気!
[恐らくはミナツに渡すためにこんなものを、と
思考は一瞬で其処まで辿り着く。
というより、彼が自分で食べる為に、
こんな包みをする店へ行くという結論には
まぁ、普通、なかなか行き着きはしない。]
それじゃあ、私も愛情をおすそ分けされちゃいます。
[包みをあけ、真顔で一つ、ぱくり]
[ぽふりと渡されたコートに]
ん…?
え?でも、ジュンタが寒いよ?
[着てろと渡されてもどう見てもジュンタの方が寒そうに見えて、コートを返そうとするもきっと断られるだろうと思い、巻いていた白いマフラーをはずしてジュンタへ渡す。]
じゃあ、マフラー貸してあげる。
[渡されたコートをぽふりと肩にかけた。]
あはは。
ばればれですよー。先輩。
[イマリがジュンタの先程言っていた言葉を繰り返すのを聞き、後半の言葉はそれは違うと思い]
先輩!そんなこと言われてない!
[くすくすと笑いながら、先程の空気よりもイマリがいるおかげで軽くなった気がしてほっとする。]
健気じゃねぇっ!ちくしょー……
いつか復讐してやっからなぁ………
[イマリに恨み言を言っていたら、美夏ちゃんにマフラーをまかれた。それは、やっぱり暖かかったから。]
さんきゅ、借りとく。
[そう言って、にこりと笑った]
…雪、か。
[はらはらと舞い落ちる白い欠片を、指先で受け止めて。]
降りれるのかな、この天気で。
…空港、閉鎖にならなきゃ良いが。
[灰色の空を見上げ、その向こうから戻ってくるはずの妹に思いを馳せる。
携帯の着信メールを確かめる。
「もうすぐ飛ぶよ」と添えられた、海外の空港の風景と妹の笑顔の写真。]
[ぱくり、と食しながらも。
昔はこんなだった、というジュンタに]
ふぅん
[彼の顔を見つめながら小さく頷いた。
寡黙なイメージが強かった分、本当に意外だった様子。]
……。
[が、しかし。]
……、あたし、向こう向いてようか?
[二人の防寒具交換会に、にやにやにやにや]
やっと逢えるな、奈緒。
[一年間の留学を終え、妹が帰ってくる。
日付変更線を飛び越えて、この街に着くのは11月2日。
彼にはもう、永遠に訪れない明日。]
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