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……。
[このドーム内に生きている人間はルリとライデンの2人のみ]
[墓碑を見上げる]
そうね。
きっと、このままここに居れば、滅亡しか望めない。
逃がす?
──どうやって。
そうかもしれない。
君が喰らうのを求め、此処から出る術がないのなら。
逃れようもない事だ。
[ペケレには肩を竦めてみせ]
「カナメ」は最後に言ったよ。
このゲームはこれで終了だ、と。
[手のひらのうえで、
さらさら、さらさらと、
かたちをうしない 「かえって」ゆく
カギ ]
[カナメの声が微かに聞こえる
「 ルリ… 管制室… … 」
そしてその声は嘆きの、色を帯びてきて]
ああ。私のために怒る必要なんてないというのに。
一人ではなかった? どうだろうな。
以前はそう思っていたような気もするが。
今となってはわからない。
[ルリに緩く首を振りながら、写真を受け取って]
ただ、確かな事は。
「カナメ」は喰らう二人を助ける事を望んでいた。
先に何があるかを、知りながら。
「カナメ」
いえ、あなたは…
[昔のやり方で、呼びかけて止める]
思い出したんです、
あのときカナメは贈ってくれましたね。
ルリに、鍵を。
ゲームオーバー
[平坦な口調で続ける]
[きっと唇を噛み締め]
……冗談じゃないわ。
でも、いまのままじゃ確かに、あなたのカナメの言う通りね。
[激していた感情が少しずつ冷やされていく]
[ルリの晴れやかな笑顔を見て]
鍵……。
とけた、鍵のことかしら。
初めてだわ、若いお嬢さんに「わたしを食べて」なんて誘惑されるなんて。
[冗談めかして軽く笑う]
いいわ。
美味しく頂くわ。
構わないかしら──ライデンさん?
そう、ゲームオーバーだ。
エンディングが良いものか悪いものかはわからないが。
[ペケレに頷き、ルリの方を見ると何か散っていくのが見えた。明るく笑い自分を食べろと言うルリを、言われたペケレを、順に見やり]
別に私は、止めもしない。
助け、見届ける事が、私の役目だった。
[構わないかというのには、短く答え。
空に写真をかざす。逆光で曖昧になる映った像]
ええ──。
私がルリちゃんを食べて。
そしてその時に、何が起きるか……は。
わからない。
[写真を空にかざすライデンを見上げる]
[ペケレにひとつ頷いた]
そのかわり…
ライデンを食べないで。
なんてお願いしても、良いですか。
[苦笑する。
きっと否と返されても苦笑する]
" パパ。
きょうも お仕事?
あそんでくれるって やくそく したじゃない
――うそつき "
[遠い、遠い光景。
未だおぼろげな、後ろ姿のキオク]
ルリ。
[少女の声に、其方を向き]
その願いが叶ったとしても……
[言いかけて、途切れさせる。
並ぶ扉の方に歩むと、花が供えられた中に、手のうちの写真をそっと*置いた*]
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