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[家に荷物を置くと、居間に横になります。]
……廃村の中に独りぼっち。
なかなかできる体験じゃないね。
せっかくだから満喫しよう。
[荷物の中から日記帳を取り出して、開きます。
しばらく白紙のページを前に、考えています。]
[日記を前にしばらく考え事をしています。
不意に何かを思い出したように顔を上げました。]
窯神様……
外の世界では、全然知られてなかったけど。
この村特有のものなのかな?
[首を捻ります。]
後で村の中を見て回ってみよっと。誰かの亡霊に出会ったりしてね。
ううん、あはは。
誉めて貰えると嬉しいよ。
ヂグさんも相変わらずだね。
[そんな事を言いつつも、ポルテの冷ややかな視線には肩を竦め]
つい、ね。
そうするよ、怖いおじさんだと思われたら悲しいからねー。
[フユキにも返してバクの方を一瞥する。それから明かり、という単語に、少しく遠いアンの姿を見、目を凝らすようにして]
確かに暗い、ようだけど。
― 村の中 ―
[しばらくお休みした後、村中の家を見て回ります。]
結構寂れてるね。
長く住んでたわけじゃないけど
……故郷がこんな風だと、ちょっと寂しいかな。
あれ?
[やがて一軒の煉瓦造りの家を見つけました。
その建物に惹かれるように入って行きます。]
特に鍵もかかってないみたい。
おじゃましまーす。
[どうせ誰もいない建物。ささやくような声を出して中へ入ります。
建物の奥、大広間に辿り着きました。そこの黒板には、人の名前が書いてあります。
隣には装飾された扉が見えました。]
何かしら。この先に何か宝物でも隠されてたり……なんて、ないよね。
[眼鏡の奥、眼をすっと細めた。
興味津々に辺りを見回し]
彼女がいる場所…祭壇ですかね?
あちらの大窯は、儀式用か何かでしょうか?
[淡々と声を連ねる]
親睦会? 親睦会、なのかな。
[ごそごそと懐から折り畳まれた長方形の紙を取り出し、器用に片手で広げ持ち]
村で待つ!
……なんて、筆で書いてあったからなぁ。
誰からの挑戦状だろう、と思ったんだけど。
[どこか残念そうに息を吐くも、次にはふっと笑って]
でもこうして皆に会えたのは良かったなぁ。
……? あれは……
[立ち止まるフユキらに、己も幾らか行ってから足を止め。その視線の先を追い]
開いてる……?
[そっと扉に触れると、どうやら鍵はかかっていないようです。
思い切って中へと足を運びます。]
……階段
地下行き、なのかな。
[どうやら先は暗がりのようです。ランプを持っていない今の自分にできることはないようです。]
灯り、灯り。どこかに蝋燭でもないのかな?
[大広間の中を探します。戸棚の中、机の上などを物色しながら]
……これじゃ、泥棒と変わらないのかも。
[自分の姿を客観視して、少し落ち込みました。
やがて引き出しから蝋燭を見つけます。ライターで蝋燭に火を点すと、階段をゆっくり慎重に下りて行きます。]
アンちゃん、ここ来たことあるの?
[近寄って、恐る恐る少女の肩に触れた]
え……?
[発された言葉に目を丸くして、弾かれたように手を離す。
『ヒトを捧げよ』
そう言ったように聞こえた]
[灯りを頼りに地下を歩いて行くと、学生らしき少女の後ろ姿がぼんやりと見えます。]
……わ、人だ。
小鬼じゃないよね?
[足を止めて、しばらく観察しています。
やがて意を決したように、アンの傍へと歩み寄ります。]
…村で待つ、って。
なんと言うか…とんでもなく勢いのある手紙ですね。
[眼鏡を押し上げて、ゼンジに視線を向ける]
これ、…彼女に声を掛けていいと思います?
[灯りを手に、部屋の中を良く見ます。
アンの立つ前に大きな窯が見えるでしょうか。]
何かしら、大きな装置……。
ねえ、あなた、ここで何してるの?
[アンの背中に声をかけてみます。]
え、なあに?
[彼女の言葉が耳に届きます。]
ヒトを……捧げよって
それって、どういう意味……
[首を捻り、見知らぬ少女に問いかけます。返事は返ってこないでしょうか。]
だよね、巌流島の決闘にでも呼ぶみたいだ。
遅かりし由良之介……は、歌舞伎か何かだったかな?
[独り言のように言いながらフユキの目を見返す。問いかけにはやや思案するよう]
うーん……
まー、いいんじゃないかな? ……多分。
[無責任なような返答。つと、アンに近付く人影らに目を向け]
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